第11話 最高額の釣具🚐

 所有している釣具の中で最高額のモノはン~百万円!


 さてこれ、何だと思いますぅ?


 例えば…

 貴金属でできたリール?

 超プレミアもんの何か?

 それとも、ヴィンテージ的な何か?


 いえいえ、違います。


 はたしてコレ、釣具といってよいものなのか、どうなのか…

 でも。

 釣行時の頼りになる相棒だから、自分の中じゃ釣具なんです。

 誰が何と言おうと釣具です!


 釣り以外の用途としては、幼女を連れ込み、中で…じゃなくて、通勤のアシ。

 あと、ウチの坊ちゃんの通学のアシとしても絶賛活躍中。

 形式名KDH201V。

 ここまで書くと、なんとな~く正体の輪郭が掴めてきたんじゃないでしょーか?


 では!

 ここで問題です。

 コレは一体何なのでしょーか?

 ヒントは…「幼女を連れ込み云々」が、いちばんわかりやすいかな?

 正解は。


 200系ハイエースでしたー!


 って、くだらなかったっすかね?

 くだらないですね。

 すんませんでした。



 と、詫びも入れたところで。

 なんでまたこのよーなネタかと申しますと、タイヤ交換をしたのですよ!

 ビンボー人なので、フロント二本だけ…。

 とはいえ新品。

 それだけで気分い~よね~!

 これでやっと前後同じサイズになりました。

 めでたしめでたし。




 タイヤ交換した!とゆーワケで、今回はハイエースにまつわるお話を少し。


 しかしまぁ何といーますか…

 ワタクシの愛車、パッと見はわかりにくいけど、じっくり見るとビミョーに不自然。

 何処がどのよーに不自然なのかと申しますと。

 タイヤの径が小さい。しかも純正だと細い。

 意識してボディーサイズと比較してみれば、その不自然さに気が付きます。

 サイズ表示は185/75-15と、こんな感じ。

 扁平率とインチ数はともかく、5ナンバークラスで最大の車体なのに、太さが185って…今時、カローラクラスでも…いや、下手したらヴィッツとかでも純正でこのくらいの太さあるんじゃないの?


 参考までに、数字の意味は以下のとおり。

 185はタイヤの幅で、単位はmm。

 75は扁平率で%。算出法はタイヤの高さ(厚さ)÷幅×100。

 15はリム系(タイヤの内径)で、単位はインチ。


 他のボディータイプのが195/80-15だから、だいぶん小さいコトがわかるっしょ?

 ボディー自体は他のロングバン=標準ボディーと同じだから、フェンダーアーチからタイヤまでの隙間が、ガッポシ開いてしまうのよ。

 これがもぉ、気にし出すとマジでヤな感じ。

 たま~に気付かれて、


「このクルマ、タイヤちっこくない?」


 とか


「扁平率下げてシャコタンにした?」


 っち、言われると哀しくなってくる。



 小さいのは、荷室の構造の特徴が原因。

「ジャストロー」というボディータイプで、荷室にはみ出たタイヤハウスの頂点の高さに板を貼り、平らにしてコンパネや石膏ボードなど、広く平べったいモノを積むのに適した作りになっておりまする。

 それはまぁいーんだけど、ノーマルボディーよりもタイヤハウスの頂点付近の鉄板が数センチ下げてある。これが曲者で、通常サイズのタイヤを装着すると、荷を満載してバウンドした時干渉してしまう。だから小さくしてあるのですよ。



 このヘンチクリンな見た目をどうにかすべく、何か方法を考える。

 真っ先に思いつくのがシャコタン。

 一番手っ取り早い方法なのだけど、釣りに使うから無理。

 釣り場って悪路な場合が多いのよね。ただでさえ走破能力低いのに、車高なんか下げた日にゃ~、釣り行く度に腹が接地して、JAF呼ばんといかんくなる。

 JAFの会員なので、呼んでも金はかからんけど、到着すんの待っとく時間バカらしいし、走行不能で立ち往生している姿を不特定多数の人間に曝すのは恥ずかしい。

 ただでさえ恥の多い人生。

 それに加え、かなり目立つクルマだから、持ち主は瞬間判明。

 こんな時に限って知り合いに目撃されるのは、もはやお約束。


「この前、あっこでイボっちょったよね?」←訳:この前あそこでハマってたよね?


 っち、言われること必至。

 そんなこと言われたら、立ち直れないじゃないですか!ってほどでもないけど、まぁ、危機はなるべく回避する方向で。

 救出してもらった後は、足回り壊れてないか点検に出さんといかんしね。

 それっち面倒っちぃやん?

 だからシャコタンは却下。


 ローフォルムオーバーフェンダーというパーツもあるけど、これがまた高くて4~5万しやがる。


 結局、あまり金をかけることなく、有効的に誤魔化せる方法は無かったから、隙間の件は諦めることに。



 それでもやっぱ、オメカシはしてやりたいやん?

 なんちゅーても、カスタム界ではトップクラスの人気ベース車やもんね。


 で、手っ取り早くて、大きく外観変えることのできるアイテムといえばアルミホイール。

 ここが変わると、オメカシは半分以上できあがり。と、自分は思うワケよ。


 んーなワケで、坊ちゃんを引き連れ中古パーツ屋へ。

 見てまわっていると、「ハイエースコーナー」なるもんができている。

 流石、人気車種!

 これならば、もしかして!と、期待したけど甘かった。

 超不人気グレードであるジャストローだから、合うヤツなんかありゃしない。

 こーなったら、安さで選ぼう。そして、タイヤは外してもらおう。と決めて、探していると、セット価格3万弱という、なかなかの品発見。


 ウェッズ・キーラーフィールド。


 デザインはオーソドックスな6本スポークで、ハイエースやキャラバンにはド定番のアルミ。

 どちらにも純正オプションの設定があって(キャラバンはE25の時。NV350になってからはカタログ貰ってないから知らん)、カタログの別紙に載っている。

 純正オプションはアルミ色だけど、これは何故か黒。黒だと足元引き締まって見えるから、なかなかいー感じに仕上がりそう。


 この商品の詳細を書いてあるプレートには、「バランスが取れません」的なコメントが。

 どーやら訳ありの品らしい。ホイールの内側を見てみると、オニのよーにウェイトが貼りつけてある。でも、見た感じ、変形したり削れたりはしてない。とすると悪いのはタイヤ?

 15インチだしタイヤも安いから、これに決めたいのだが、はたして…

 店員を呼び止め聞いてみると、


「バランス取れなくて、どうにもならないときは、返金しますのでレシート捨てないでくださいね。」


 だそうで。

 そーゆーコトなら損はしないし、購入決定。


 ただ、これもやっぱし標準ボディー仕様。タイヤは使えないから外してもらい、その分値引き。


 アルミ、2万円でGET!


 持ち帰って、クルマのことを任せている友達に現物を見せ、相談したところ、


「これなら多分イケる。」


 とのことで、早速タイヤを注文。

 後日取り付けることに。

 恐れていたバランスも、全く問題無し。

 無事アルミ装着となったのでした。

 タイヤも太くなって安定感も増した。

 見た目もよくなり一安心。


 アルミへの交換当初は、フェンダーやタイヤハウスへの干渉を警戒し、195/70-15とゆー、純正より一つだけ太いのを着けていたんだけど、このサイズ、今のミニバンの標準より一つ細い。純正で採用しているクルマが無くて、割高になってしまうらしい。そーなってくるとビンボー人の自分にはツラいワケで。

 乗っているうちに、どこにも干渉しないことが分かり、前回フロントを交換する時、一つ太い205/65-15にして、リアの減ってないヤツをフロントに持ってきた。

 この大きさなら今のミニバンが多く採用しているサイズ。

 比較的安く手に入るようになるのです。

 で、今回そのフロントが磨り減ったため交換。

 やっと4本同じサイズになった、とゆーワケ。


 あ~あ…ここまで長かった。

 こんなに苦労するんなら、買うときもーちょいしっかりカタログ見とけばよかったよ。と、後悔。



 そもそも、なぜこんなコトになったのかとゆーと…。

 前の車(平成20年式レジアスエースⅡ型DX。4ドア)が、坊ちゃんの高校の入学式の日、学校に向かう途中、交差点で右折のクルマに突っ込まれ、電柱に激突して廃車。

 その時世話になった車屋への義理があるから、お願いすることに。

 ホントは新車がよかったんだけど、それだと車屋側の儲けが少ないらしい。

 なので選んだ手段は新古。

 それなら程度はほぼ新車。でも、中古扱いになるから登録時の諸経費は半分になる。

 中古扱いだと車屋側の儲けも大きくなる。

 互いにメリットが生まれてくる、といった理由で新古車を買うことになったのですたい。

 二カ月後、見つかったとのことで即契約。

 現物を見た時、初めてタイヤのサイズがおかしいことに気が付いたとゆーね。



 で、納車当日。

 気に食わないのはタイヤのサイズだけじゃなかった。

 それは何かとゆーと、装備。

 納車時の説明で、いらん装備ばっかであることが発覚。


 まず、いちばんいらないのはナビ。

 基本、家の近所をウロウロするだけだから、そんなモン全く必要ない。どうしても必要な時は、スマホのナビを使えばいいだけのハナシ。

 これ、マジでいらない。


 次に、リアエアコン。

 廃車になったレジアスエースもそうだったけど、フロントだけで、後部座席まで死ぬほど冷えるから必用ない。

 しかも、これがあるせいで頭上のスペースがかなり犠牲になっている。

 運転席で腕を伸ばして「ん~…」ってできないの、結構つらい。


 さらにETC。

 高速乗ることなんか、一年に一回もないからいらない。


 そして、トドメはGLパッケージ。

 最上級グレードのスーパーGLみたいにメッキグリルでボディー同色バンパー。でも、見る人が見れば、ナンチャッテなのは丸わかり(見破り方はバンパーのフォグ。GLパッケージにはついてない。メッキドアノブ。ハッチバックのエンブレム。あと、スーパーGLだと、後部座席にヘッドレストがついている。あとはタコメーターの有無、スライドドアから後の内装のトリムの有無など結構色々と違う)。しかし、ナンチャッテとはいえ、この装備だけでかなり高くなる。

 マジ、黒バンパーがよかった。


 とまあ、装備に関しちゃこんな感じかな。

 これだけの装備がつくと、新車時ならばノーマルのDXよりも50万円以上は高いはず。オプション代って少なからず車両価格に反映されているだろうから、全てを車両本体に回してほしかった。



 この他にも問題はある。

 まず一つ目。

 走行時、ビミョーに右へと流れる。

 路面って、通常は排水のコトを考えてあるから左下がりじゃないですか。だから、正常なクルマだと自然に左へと流れてゆくはずなのよ。でも、これが右に流れるとなると、思っている挙動じゃないから気色悪い。そして、最悪対向車と衝突する可能性がある。常に修正しながら走らないといけないから、地味に疲れるのよね。

 気になるからトヨペットに持っていったのだけど、「サイドスリップの値は正常だから、これ以上扱えない」の一点張り。

 話にならないから、レジアスエース買ったネッツに相談すると、ちゃんと対応してくれて少しは改善。

 トーションバーの固定ナットが、規定の締める量じゃなかったらしい。

 修正してもらい、しばらく乗ってはみたものの、やっぱしまだ右に流れる。

 アタマにきたから、再度トヨペットに持ち込み、前回の対応の不満をぶちまけ、ネッツで判明したことを技術の人間に伝えると、今度はちゃんと対応。代車を用意してくれて入院となったのでした。

 一週間ほど預けると、修理完了の電話。

 説明によると、キャスター角が狂っていたとのこと。

 試乗すると、あからさまに挙動が変わっていた。

 それにしても、なんでそんなトコロが狂う?前のオーナー事故っとるんやないの?

 と、疑いの気持ちが湧いてくる。

 これがあるから中古車は信用ならない。

 やっぱ、新車にしとけばよかった。車両保険の交渉やらしてもらうんやなかったよ。

 と、心の底から後悔。



 次に、使い勝手の悪さ。

 長く乗っていると、床が高いコトによる使い勝手の悪さが気になりだしてくる。


 後部座席の頭上スペースが狭く、身長170cmくらいの人間が乗ると、きつめにバウンドした時、天井で頭を強打する。

 これがもぉ痛いのなんの。イメージとしては、クルマが頭上から降ってくる感じ?マジで首が折れるかと思ったよ。


 シートの座面が高いため、這い上るようにして乗らないといけないし、降りるときは飛び降りないといけない。

 飲んだくれて乗り降りしよったら、そのうち転げ落ちて大ケガするぞ。


 床が高い分、狭くなるからサオが積みにくいのも困りもの。


 あまりにも盛り沢山なデメリットのため、ついに我慢が限界に達し、今年の三月、後部座席の真下の床板をバラし、床の鉄板にボルトを通す穴を開け、新たに座席を固定しなおすとゆー改造をしてくれてやりました。

 これでやっと後部座席に関する問題解決。

 なので今は、跳ねまくる商用車な乗り心地を除き、使い勝手はなかなかのモノとなったワケであります。


 こんな感じで、どーにか出来るところはどーにかした。

 けどでも。

 どーしようもならないことが、リコールの問題。

 納車してしばらくすると、トヨペットからハガキ。

 見てみると、リコール。

 マフラーの取り付け部品と、燃料の噴射ノズルの強度不足だったかな?

 対応してもらい、戻ってくるとエンジンが喧しくなって燃費が落ちている。それまではかなりのちょい乗りしても10km/L切ることはなかったのだけど、リコール対応後はいきにくくなった。



 あとは、中古価格が異常に高い。

 ハイエースやレジアスエースの中古価格、ブチキレたくなるほど高いって知ってた?

 マジ、「何考えたらそんな値段になるん?」っち感じ。

 具体的にどれくらいの値段がつけられているかというと、40万キロ以上走ったド初期モンⅠ型DX(平成17~18年式の黒バンパー、2.5リットルディーゼルターボ)で、燃料噴射装置のノズルが摩耗して力が出なくなっているヤツが70万。勿論修理しないと、まともには走らない。

 これよりも少し程度が良くなれば(それでも20万キロ超え)、Ⅰ型でも平気で100万超えてくる。

 既に登場から9年(今のクルマを買った時点のハナシ)も経っているのに…。

 こんなふうなので、支払われた車両保険ではボロっちいのしか来ないから、手出しを100万して新古車にしたとゆーワケ。


 ちなみに一つ前の100系でも有り得ない程の高値がつくよ。

 程度の良いスーパーカスタムリミテッド(最上級グレード)最終型なんかだと、今でも100万円超えるヤツあるんじゃないかな?


 このように高値がつくから「ハイエースは財産」という言葉もあるらしく、それがなんか妙に納得できたりする。


 なんでこんなに高いかというと、世界各国で走っているから。

 耐久性に優れていて使い勝手がいいから、信頼されていて大人気、ということらしい。

 こんな事情があるので、例え排ガス規制で乗れなくなったとしても、輸出して規制のない地域で活躍できる。だから、下取りが0にはならないのだと、営業マンが自慢げに言っていた。




 ここまでマイナスのコトばかり挙げてきたから、いートコ無いよーなクルマに見えるけど、全然そんなことはないよ!


 まず、一つ目。

 とにかく見通しがいい。

 目線が高く、渋滞中何台か先のブレーキランプが見えるから、急ブレーキになりにくい。


 次に、運転が楽。

 キャブオーバーなので、挙動に少し癖があるけど、慣れると全く苦にならない。

 大きなボディーの割に小回りが利くから、狭いトコロでもジャンジャン入っていける。

 イスに腰かけて座るようなカッコで運転するから長距離でも疲れにくい。


 燃費がそこそこ良い。

 リコールから帰ってきて少し悪くなったけど、それでも10km/L前後は走る。長乗りしたり高速乗ったりすると、公表されている燃費(11.2km/Lだったかな?)を上回ることもある。燃料が軽油だから、もう一台の愛車であるパジェロミニ(H56Aド初期もの5MT)よりも燃料代が安い。


 税金が安い。

 具体的には16000円。

 前乗っていたレジアスエースは普通のDXだったため、最大積載量が1250kgとなり、税金は19500円(商用車は定員と積載量で税金が変わってくるとのこと)。

 これでも充分安いんだけど、今度のは積載量が少なくなったため(1000kg)、さらに安くなったとゆーワケ。

 近頃、思いやり税を払わなくちゃならなくなった古いワゴン車や四駆をバン登録して乗っている人よく見かけるけど、これはそんな理由から。大排気量のクルマがこの値段で乗れるって、嬉しいもんね。ま、車検が1年になるから、そういった面では面倒っちぃけど。


 あと、車両重量が増したため、普通のDXと比べて乗り心地が若干マイルドになった。


 フロアカーペットじゃなくビニールシートなので、汚れても掃除が楽。


 そこそこ力があるから、そこそこよく走る。


 ミラーが大きいし、たくさんついているので死角が少ない。


 とまぁ、こんな感じでいートコもいっぱい。

 ちゃ~んと気に入ってま~す。


 坊ちゃんなんかは学校に同じクルマはいないとのことで、目立てるし友達からも好評なので、気分いいみたい。




 毎度の如く、どーでもいーことばかり書いたけど、これからも我が家の一員として活躍してほしいハイエースなのでした。


 おしまい。

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