第8話 夢の芽8
夜明け前にまやかしの道に配置される。女年寄りばかりで15人ほどで長槍をやぶの中で構える。お祖母ちゃんはこの時に槍を引っ張られて切られて死んだ。男組は仕掛けのない道から10人ほど切りかかる予定だ。鈴に音が鳴る。早くも1陣がまやかしの道には踏み込んだようだ。仕掛け弓が飛ぶ音と悲鳴が上がる。
「第1陣は20名ほどだ」
伝令の声が飛ぶ。草むらを走る音がして一斉に長槍を突き出す。明らかに茉緒の槍に手ごたえがあった。だが引きずられる年寄りが出る。凛が槍を差し込んで応戦する。男組が攻め込んでいる。今のところ優勢のようだ。第1陣が引き揚げている。
「下がるんだ!」
源蔵爺の声が滝壺から聞こえる。ほとんど同時に爆発が辺りに起こる。藤林得意の火薬を使いだした。滝壺に戻ると、3人が足らない。凛もいない。茉緒の体が動き出す。爆発はまだ続いている。男組の死体がありその奥に年寄りの死体が転がっている。
「姉さん!」
凛が背中に血だらけの仲間を背負っている。
「大丈夫?」
そのまま二人で担ぐと滝壺に撤収する。源蔵爺が大きな筒を背中の抱えている。
「第2陣が来る。長槍もこの後突入すんだ」
これは源蔵爺の得意な目潰しだんだ。男組も尾根に並ぶように頭を先頭に待機している。
2回目の戦闘は意外に半刻せずに終わった。やはり服部に対するポーズだったのだ。それでも抜け忍村は3名を失った。藤林の残して行った死体が7体からすると善戦だったと言える。
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