第5話 夢の芽5
初仕事は無事に終わった。頭の納屋に入って5人で集めた情報を書き物にまとめる。書き上げると頭に見せて了解が出たらもう2部作る。ここからは茉緒一人の作業だ。それぞれは今回は米を袋に入れて帰っていく。無事に提出すると頭のいる部屋に通される。
「茉緒は頭巾の中を見たか?」
「いえ、ずっと着けていました。そうかこちらの依頼人が15年前の火事の後別人のようになったと言ってるのだ」
「でも奥方と寝るときは外しているかと?」
「それほど仲がいいのか?」
「そのように見えまする」
「ところで抜け忍狩りは藤林が?」
「本人が言っていました」
「分かった。茉緒は2袋持って行け」
頭を下げて床にある袋を2つ持って外に出る。凛が木の上から飛び降りてくる。その時頭の中でひらめいたものがある。
「藤林の館の前に小川が流れていたね?」
「ああそうだとも」
「館の周りは?」
「森のようだった」
「私の夢に出てくる小川のある森は石垣を除けばよく似ている」
「古いことなら源蔵爺に聞いてみるといい。炭焼き小屋にいつもいる」
源蔵爺は前の抜け忍頭で今はこの村の唯一の出入り口の門番だ。
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