ライバル?登場

「5」「4」「3」「2」「1」

「ぜろーーー」

田代翔太は大声を上げた。

「はい、みんな帰るよー、残業なんてしても残業代安いんだから早く帰る。」


これがこの会社の名物の「働き方改革」なのだ。

「ちょっと田代君?」と田代を呼んだのは佐々木常務だった。

「なんですか?ぶちょー」

「いや、ぶちょーは君だから。僕は常務だから」

「またまた僕がちょっと仕入れたたった10億のプロジェクトのおかげで常務になれたんですから辞めるまで僕の操り人形でいてくださいよ」

「たったとかいってない?10億って僕のサラリーマン人生で最高額のプロジェクトだよ。あと僕が君を部長に引き上げたじゃないか?」

「でも僕断りましたよね。」

「うん235回断ったよ。」

「だから嫌なんですよ、昇進って。接待なんかに時間使って家庭をかえりみない日々が続いてぶちょーのように奥さんや子供にも相手にされない。そんなぶちょーのようになりたくないんです。」

「君ズバッといったね、僕のサラリーマン人生全否定しちゃったね。ちなみに常務だから、今の僕、結構成功してるから、」

「おーい高橋君」田代は高橋竜馬を呼んだ。

「はーい」高橋が立ち上がる。

「高橋君明日から君が部長だ。がんばりたまえ。」

「まじっすか」

佐々木常務は慌てる。

「いやいや、高橋君座って。田代君も自分の立場をわきまえてくれよ」

「わかりました。それは明日伺います、では」といってバックをもって退社した

これで部の業績が上がってるのだからこの会社の七不思議の一つなのだ。


自宅の玄関を開けて「桜子さんかえったよー」

というと桜子がドアを開ける。

「桜子さん帰りました。ひかりはどうだった?」

というと目の前にひかりが仁王立ちしている。

「パパ、ママのことほんとうにあいしてるの?」五歳のしゃべることではないことをしゃべる。

「愛してるさ、ひかりのことはママの次に愛してる」

「ふーん」ひかりは最近父に冷たい。

「あたし、しょうらいママとけっこんすることにした」

「え???」動揺する父

「パパじゃなくて??」

「さいきんぱぱあたしにたいするあいじょうがへってない?」

「へ??」

「だってかえってくるといつもママとキスしてむすめのまえで「でりかしー」がたりなくないとおもわない?」

「桜子さんこれってどうゆうこと?」

桜子が困ったように「ちょっと違うかもしれないけど反抗期ってやつかしらね」

「き、来た。反抗期。」翔太は息をのんだ。

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