第四十六話:interlude ~ 別れ

「色々とお世話になりました」


「お風呂気持ちよかったです!」


「ありがと」


見送る主人に礼を言う。


「もっとゆっくりしていっても良いんじゃぞ」


主人が別れを惜しむかのように引きとめる。


だが世は諸行無常。


その辺りは人生の先輩だ。


別れなど日常的に発生する頻発イベント。一期一会。心得ている。


寂しそうな表情も一瞬で消え失せ、俺たちはすぐに見送りの言葉を贈られる。


「…また遊びに来なさい」


最後までお人好しな爺さんだ。


優しく温かな言葉は、炭鉱深くまで届くかのように思われた。


「また来ます」


俺たちは次の目的地へと向かう。


期待と不安とを胸に抱えながら、歩みを進める。


生きている限り、歩き続ける。


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