第28話「ついに出た!合体ハードウェーザー・マーゼスト」~ストーリー構想など~

・メルによってマーゼストへの合体プログラムが完成した。あとはコマンドを入力する事だが才人がそのコマンドを中々マスターできない状態だった。この様子に玲也は才人の技量の問題だけでなく、彼がタンザニアでの戦闘から気落ちしている様子も気がかりだった。そのさなか、シミュレーターでシャルが倒れてしまった。どうやら高い熱を出しており今までの連戦がたたっているようだった。


・そして、ベイラに進軍した電装マシン戦隊はジンバブエ・南アフリカ共和国の解放作戦の下準備として偵察に赴いていた。ネクストとスフィンストが出動し、ネクストはグレーテスト・サークルをスフィンストに与えて空からの偵察を行わせ、自分はビーグル形態に変形して地上からステルス状態での偵察に入っていた。どうやらバイトブリッジに巨大な要塞が建設されており、南アフリカ共和国へ向かう際には破壊する必要がある……だが偵察任務でも才人の様子は何やrおかしく、スフィンストが要塞に備わった対空レールガンの射程圏内に入ってしまい、グレーテスト・サークルに直撃。さらにバグスカイヤーの面々が彼等に気づいて空から攻撃を仕掛けてきた。玲也は才人にスフィンストはランダー形態で地中から逃げろと命じ、ネクストは単身で応戦しながら退却せざるを得なかった。


・電装マシン戦隊の接近を知り、トループは彼らの為の秘密兵器をここで配備しようと策を練る。これより前の話で、レスリストを仕留めた証拠にセントクロスはクレスローの亡骸を七大将軍の面々に見せつけ、これにより七大将軍の主導権を彼女が握ることとなった。最も彼女はハードウェーザーを全滅させることについて興味がないとの意外なスタンスだった。というのも彼女は自分の手ごまとなる子供たちを増やそうと考えていたが、今まで拉致した子供たちを改造しても期待通りの成果を収める事は出来なかったとの事で地球に対して興味が失せていたのだ。なのでセントクロスは主導権など別にどうでも良いと自分に協力してくれた事でトループに主導権を譲渡する事を宣言した。この思わぬ話にトループは有頂天となった。七大将軍のリーダーはセントクロスだろうと予測して彼女に味方していたが、こうも早く自分がその地位に就くことが出来るとは考えていなかった。彼はセントクロスに並ぶ実力者・鋼鉄将軍ハインツら鋼鉄軍団にも加担しており、彼らのアフリカ大陸への侵攻に参加し現在ジンバブエに要塞を建造して防衛の任についている……最もトループはセントクロスから譲渡した権限をかさに着て増長し始め、鋼鉄軍団の兵力をジンバブエに割くように命じていた。彼の高圧的な指示に幻獣将軍レーブンは苦言するも、ハインツは防衛の術になるならと承諾した。ハインツの弱腰そうな姿勢にもレーブンは意見する訳だが、彼にとってトループに万が一の状況があったとしても、別の作戦を練っているとの事と構えたままだった。


・一方バグロイヤーに見つかって引き返した才人はマーベルに殴り飛ばされたが……彼女だけでなく玲也まで制裁された。これも部下の不手際は隊長の彼の連帯責任との事で、エクスだけでなくニアも彼女の罰を批判するのだが、玲也は何も言わず才人へ事情を聴こうとした。仮にマーゼストの合体プログラム関係で上手くいかないとしても、偵察時にポカをやらかすまでの程ではないだろうと窘める。すると彼は戦うのが怖いんだよと自分が情けないのを認めながらも告白した。これに少しわかるような気もすると前置きを入れつつも玲也は何故今頃になってと問えば、レスリストが目の前で散ったことが原因で、自分もいずれあぁなってしまうのではないかと恐怖が過っているのだ。さらに自分は玲也やシャル程プレイヤーとしての腕も良くないとコンプレックスも感じていた。玲也はただ自分たちがお前より強いとしてもレスリストを救うことが出来ず、他にも何度も苦い経験を味わっている事を話しながら、それでも自分たちは忘れずに前を歩くしかないと改めて説く。だが才人から「お前は怖くないのかよ」と逆に突っ込まれる。お前は誰かを救えない時もあるとの点で考えているのは、お前が自分の身は守れる力がある事前提で話しているが、自分はそれもできるかどうかわからないんだぞ……と声を荒げながら個室にこもってしまう。


・ふとお前にはわからないとロディやアクリカからも指摘されたことがあった事もあり、玲也もまた物思いにふけっていた。シャルの看病をしながら俺はみんなにハードルの高いことを突き付けているのだろうかと相談に出る。シャルからは玲也がプログラム関係以外で相談してくるとは珍しいと驚くと、彼は別にそこまで珍しがられるのかと思いつつ、自分たちがバグロイヤーに立ち向かっていかなければならないじゃないかと自分は間違ったことはしていないはずだとの様子も少しあった。そんな彼の悩みに対してシャルは僕だったら多分玲也君からの試練だって平気で乗り越えるよと病み上がりでもガッツポーズをしながら答える訳で、合体プログラムも僕が二人分入力すればいいはずだとの事だが……その二人の話を聞いていたリンが「そういう問題じゃないと思います」と結構まじめな様子で意見する。才人の悩みについて今まで実力が伴ってきていなとしても、それを抑えて二人についていこうと頑張ってきていたが、今目の前で仲間が散った事でトラウマになってしまっているのでは……と。玲也の場合ポーの件でも悩みながらも極力戦いにそれを影響させないように耐え続けて乗り越えたが、才人の悩みはリンからしたら凄い思い当たることがあるのだと……目の前で両親を殺され弟を拉致されたことに怯えていた頃のリンを思い出すと、玲也は確かに自分が相手の事を分かっていなかったのかと反省する。それと別に戦いでどう立ち回るかを考える事よりも相手の気持ちを考えることが難しいように思えると自虐しながら……この一部始終を医務室で聞いていたコンバースは玲也に対してお前も随分変わったと評する。以前はただ父を取り戻すため、地球を守るために必死、その為に戦士としての道を歩もうとしていたお前が、今人としての道も歩んでいるのだと……。


・玲也は才人へ改めて話をしようと思ったが個室にはいなかった。彼はフェニックスの方へ足を運び、メルにプログラム関係について聞いてみることにしたが、その途中でアズとルミカに捕まってしまったのだ。彼女たちマーベルのサブプレイヤーだが、ダブルストの改良に伴い2機のダブルゴーストを展開させた彼女たちも戦うようになり、二人からすれば玲也の友人だけでプレイヤーとなった彼と似たようなものがあるとの事。元々士官学校時代の後輩だった縁でマーベルからダブルストのサブプレイヤーとして抜擢された経緯があったが、二人はマーベルと一緒に戦えるならばとの理由でこの話を承諾した。才人はどうなのか?と聞かれ、元々自分は平凡な中学生だったが家族をバグロイヤーや天羽院に殺され、それだけに仇を討ってほしいとの事もあり玲也に期待を寄せていた所、スフィンストのサブプレイヤーとして彼から誘われたのだと。あいつは自分に強制するようなことはせず、その話を受けたのはやはり自分の意志で、玲也を助けようと思ったからだと気づく。


・それから翌日、電装マシン戦隊の進軍が始まった。ちょうどベイラにPAR日本支部が開発した戦闘空母・ゲンブが到着したこともあり、マーベルとエスニック、玲也の3人で考案した陸路と海路からの挟撃作戦を開始する。これは別動隊としてゲンブにクロストとロクマストを置き、特にクロストのバスター・スナイパーによる超遠距離狙撃で要塞に備わっている対空レールガンを破壊して、要塞を陸路の部隊が空と陸での攻略に入るのだ。かくしてデュアル・メメント・モリと共に玲也、ニア、エクスの3人がゲンブへ移動してベイラから移動を開始した。一方陸からの部隊はダブルストとサンディストが出動する。シャルはまだ病み上がりとの事を考慮され、才人は彼女とセットの立ち位置故との事もあるが控えだった。この事へ自分がやはり役に立たないのかともどかしい思いは少なからずあったのだが……。


・しかし、この作戦に思わぬ破綻が怒った。クロストのバスター・スナイパーが対空レールガンを狙うものの、何かの障壁に遮られるように通用しなかったのだ。この何らかの障壁についてダブルストのハウンド・スナイパーキャノンでも破ることが出来ず、サンディストが接近して襲おうとしたら、そのバリアーらしい障壁に弾き飛ばされてしまう。このバリアーとは一体何か……それこそトループが用意した秘策、厳密にはセントクロスから授けられた電次元リフレクターだった。この電次元リフレクターは本来クレスローのチップから発見された武装であり、アトラスがレスリストのパワーアップの為に構想していた装備で、構想で頓挫したものをセントクロスは今まで拉致して改造したミュータントたちの力を借りて実現化したものであり、早い話ミュータントの子供たちの超能力を結集させて発動させた切り札であり、ついでにセントクロス曰くちりも詰まれば何とやらである。このリフレクターの存在を知らされた玲也はやむを得ないがブレストへ乗り換えてゼット・バーストによる電次元フレアーを放てば破壊できるかもしれないと考える。しかしその時にバグリーズの群れがゲンブへ襲い掛かってきた。とてもロクマストやフルーティーだけで退けられる量ではないとクロストはゲンブにとどまって戦わざるを得ず、玲也は本部隊から合流できなくなってしまったのだ。


・この玲也を孤立させる作戦はハインツが極秘裏に起こしていた作戦だった。彼は海底将軍グナートからバグリーズを出兵させて、別動隊を海から攻撃して足止めを図っていたのだ。その間にバグリフレクターの攻略に手間取る本舞台の背後から、バグラムとバグフライヤー、バグレラ・アサルトの群れが迫ってくる。彼らをタブルストとサンディストが退けようとしてもキリがない。この状況でシャルは病み上がりながら出動を決意する……マーゼストはスペックではアルティメット・バーストを使えば電次元リフレクターの壁が突破できるかもしれない。彼女は才人を連れて出動しようとするが、彼はこの状況でマーゼストへ合体することが出来るのか?と不安を抱いていた。しかしイチがだったらこのまま仲間を見殺しにしてもよいのですかと窘める。彼にとって両親を失いバグロイヤー側の刺客として自分も戦っていた苦しみがあり、それだからこそ自分は救うために戦いたいと……そして目の前でダブルゴーストがバグレラ・アサルトの群れを退けながらも徐々に追いやられている。これに才人は実際合体できるかわからないがここで黙っていたら名折れだと決意。ついにヴィータストとスフィンストが電装された。そこから合体コマンドが入力されようとするも、その隙をついてバグラムのマルチブルランチャーが無防備な2機を狙おうとするも、ダブルゴーストに撃墜された。アズとルミカから「玲也が今手間取っている分、あんたが彼の分まで頑張れ」との激励を受けて才人は心を落ち着かせて再びコマンドを入力し……二人のコマンドが正しく入力されたことにより、とうとうマーゼストが誕生する。このマーゼストのアルティメット・バーストが遂に火を噴き、電次元リフレクターの壁を粉砕。さらに前線に出てヒートドリルによる突貫とホーミングバーストを併用してトループの守る要塞が粉砕されるのだった。


・この要塞が大破するとともにセインクロスが差し向けたミュータントたちは力尽きた。この様子に才人たちがやりきれなさも抱く傍ら、トループはセインクロスからまさか全員使えなくするとはとなじられ、彼らについてどうでもよいが今回で貴方の至らなさがよく分かったと見限るような事を告げられた上、これはいずれにせよ死をもって償わなければいけない事だとも突き付けられてしまう。これにトループは狼狽しながらも背中を向けた彼女に対して発砲したら……セインクロスが見事に倒れた、もといその彼女は実は影武者だったのだ。本当の彼女に今までの一部始終はテレパシーで送られており、今から自分が前線に立って糾弾すればトループは反逆者として追うこともできると圧力をかける。これに後がなくなったと猶更焦るトループだが、そこに天羽院からの通信が入った。多分このままだとお前は始末される宿命だが、自分が力を貸すこともできると、どうやら彼にとって超常、鋼鉄軍団は邪魔者らしいようで、彼らを巻き込んで始末してトループを七大将軍筆頭に立たせることもできるとの事。この条件を提示され生き延びるために無論彼は協力した。そして一方鋼鉄軍団だが、ハインツの作戦はこれでまだ終わりではなかった。


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