第26話「断ち切れシャル!想いと力ある限り」~ストーリー構想など~

・暴徒たちの進軍にドラグーン・フォートレスは白兵戦を強いられた。そしてシャルはこの状況を打破するためにヴィータストで出撃。目の前のアリサがバグロイヤーに利用されているとして、彼女を何とか説得しようと試みる。しかしバグラファールは説得に応じるどころか、ヴィータストを仕留めんと彼女の機体から巨大なエネルギーが具現化して、遥かに巨大な機体へと姿を変え、ビームワイヤーでヴィータストを弾き飛ばし、その上ビームランサーで腹部を突き刺す。この事態に玲也はすぐさまブレストで出撃。バグラファールへ攻撃を仕掛けるも……彼の攻撃は何故かバグラファールをすり抜けるものだった。この現象についてドラグーン・フォートレスで分析するとバグラファールの熱源反応は失せているとの事だが、目の前ではヴィータストがバグラファールへ何度も殴りつけられて傷ついていく光景があった。


・この状況はどういうことか……玲也達が疑問に感じた時、ティービスト……レクターが再び参上して、ヴィータストへエレクトリック・トンファーを使って逃げ出せとの指示が降る。シャルは彼の言葉を信じて素早くエレクトリック・トンファーでバグラファールを怯ませてから、ランサーを焼引き抜いて脱出。彼女が脱出した様子を目にしながらレクターは「お前では彼女を助けることが出来なかった」と玲也へ指摘。これへニアが不服そうな態度をとるが、「あの敵は強い精神エネルギーによって具現化しているのだ」と意味を説明する。つまりアリサから強い憎悪を向けられているシャルが唯一の標的であり、彼女でなければバグラファールを止めることは出来ない。そして憎悪の末にさらに巨大化していく様子から早期に倒さなければ収拾がつかなくなってしまうとの事。アリサを仕留めないといけないのか……とシャルは葛藤を隠せない。


・しかしオレアンはすぐさま前線にジープで出動して、暴徒たちの妨害に遭いながらもアリサに対して今ならやり直すことが出来る、そしてシャルは自分の娘としてワシがいる限り死なせるわけにはいかないと説得に挑む。だがこのシャルを守ろうとする養父の言葉は彼女の怒りを買い、バグラファールのソニックブレードがジープに向かって振り下ろされようとしていた……だが間一髪、玲也はブレスト・ブースターへコンバージョンする形でヴィータストの変形したスラスターで剣を受け止めた上で逆にサンダーキックでバグラファールを蹴り上げる。ブレストで攻撃がすり抜けるならば、ヴィータストの部位を使って戦えばよいと玲也は見抜いたのだ。幸いオレアンは無事だが玲也はシャルへお前の養父が危うく彼女に殺されそうになった事を突き付け、彼女を止めるとしても想いだけでなくこの力も必要だと問えば、シャルも自分が臆病になりすぎていたと奮起して、僕はアリサへ償えることがあるなら絶対果たしたい、でも今僕が死ぬことは許されないし、アリサを止めるために手荒なことも時にはしなければいけないと闘志を奮い立たせる。


・シャルが吹っ切れたことから、レクターはアリサは強力な精神エネルギーの殻で本体を隠しているようなもので、本体の位置を突き止めて彼女をバグラファールから脱出させたらバグラファールを消滅させることが出来ると説く。そして実際ビットを展開させてバグラファールから彼女の位置を突き止めることが出来ていると、ティービストからブレストへ位置情報が送られる。レーダーでも突き止められない敵の本体、パイロットの居場所は本当に突き止められるのだろうかと玲也とニアは信じきれない様子だったが、レクターは「想いで全てどうにかなる訳ではないが、その気になればお前にも出来るようになる、いずれそうしてみせる」と意味深い言葉を残す。今は彼の言葉を信じたいと玲也は望んでカウンター・ガードサークルを展開しようとするも、ニアはその前に忘れていることがあるからと、彼女はアリサに対して、あんたみたいな親を殺され、失う事について親に捨てられたあたしからすれば分からないけど、その報復としては度が過ぎている、あんたは八つ当たりも同然の事をしていると挑発しにかかった。これを受けてバグラファールのソニックブレードがブレストめがけて突き付けられるも、カウンター・ガードサークルで受け止めて見せる……ブレストの部分に攻撃が通ったのだ。


「さっきは本当につらいことを聞いてゴメン、シャル!けどこれで一緒じゃないかな」


・ニアが挑発を送った意味は、アリサに自分――ブレストを憎ませる、つまり攻撃を互いに通らせるための作戦であったと玲也達は気づかされた。あたしは親の事について実感がわかないけど、一緒にあいつを止めるならこれくらいのリスクは背負わなきゃと笑いながらニアが話す様子に玲也から笑みがこぼれる。それから直ぐブレストが体勢を立て直してカウンター・クラッシュを射出してバグラファールを怯ませ、回転しながらカウンター・ヨーヨーでバグラファールを横一文字に一刀両断していく。ちょうどレクターが示した位置に直撃しないように調整しながらバグラファールの本体の上半身を切断。コクピットが露出した時を狙いバイトクローを使ってアリサを救出。バグラファールの自爆装置が作動するも、遅れてスフィンストが地中から飛び出してドリルで彼を宙に突き上げる事へ成功。最も自爆に市街地が巻き込まれないようにするには突き上げた行動が足りないと才人はレクターに突っ込まれ、実際はヴィータストのビットによるバリアーで爆発の被害は食い止められるのだった。レクターは玲也達の戦いを以前抱いた期待を裏切らないものであり、3人の連携も及第点以上だと評する。しかしながらそれでも今後を考えるとお前はまだ力不足といわざるを得ないと辛辣な事も述べる。ニアと才人が思わず偉そうなことを言うなと突っ込むが、レクターは俺がやれるならば既に俺がバグロイヤーを倒している、だが俺では限界があり、玲也なら可能性があるからこそこう言わざるを得ないと告げて姿を消すのだった。


・その後アリサは助かったが精神エネルギーによる超能力で消耗していたからか、幼児退行しており記憶も失っている様子だった。この様子にシャルは彼女を救うことが出来たのだろうか、両親の元に行かせる方が楽だったのではないかと複雑な心境だった。だが玲也は救わなければいけない相手をこの手で殺めることの方がどれだけ辛い事かと、ポーの件を出してお前は間違った事をしていない、間違った事をしたとしたら俺も同罪だとフォローする。そしてオレアンはあの子は今まで悪夢を見ていたのだと評した。辛いことかもしれないが今記憶を失い幼児化しているアリサは今までの苦しみから解き放たれた状態であり、しばらくの間休ませる必要がある事、そしてこれからリハビリと更生への道が待ち構えているが、楽ではないがそこから再出発していけばよいと……そして、シャルへお前はやはりわし達の子でもあり、スチーブの子でもあると語り掛けた。スチーブから教えられたテクニックを正義の為に使っており、ハードウェーザー・ヴィータストとの力を手に入れたがその力で彼女を救うことを成し遂げたことは誇ってよいのだと……シャルは養父からの温かい言葉を受けて思わず泣きつき、娘の頭を優しくなでるスチーブの様子を玲也たちは少し微笑まし気な様子で見守っていた。

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