第18話「凛として抗え、一歩を踏み出して」~ストーリー構想など~

・惑星ゲノムで治安維持を目的とするエージェントの家にリンとイチは生まれた。両親は当初リンにエージェントとして修業を課していたが、イチが生まれると男子を正当な後継ぎとして彼へ修業を課すようになった。最もリンは姉としてある程度先に修業していた事もあり、彼の相手役として自分から稽古を受けていた。イチは穏やかで心優しいが正義感の強い少年だった。だがまだ幼い頃から父は厳しい修業を課しており、イチは心が折れそうになった時にリンがその支えとして献身的に彼を励まし支えていった。リンにとってイチはたった一人の大切な弟で、共に修業しながら自分を支えてくれるリンが一番身近な相手だとイチは感じるようになっていた。たった二人の姉弟の絆は深かったのだ。


・それからハドロイド計画が持ち上がる中で父とイチがハドロイドとしての体を手に入れる事となった。転送前に最後の晩餐を送ろうとする所をバグロイヤーの襲撃に巻き込まれた。父は妻と子供たちを守るためにわが身を犠牲にしたが、母は虚しくも共に殺害され、残ったのはイチとリンだった。既にハドロイドとしてバグロイヤーに知られていたイチは彼らの手で拉致された。その後マックス達が彼を取り戻しハドロイドとして再調整して電装マシン戦隊へ送り込むはずだったが……レランとカルーラの一派によりディエムから彼だけがバグロイヤー側に転送され、ウェザーストとして表向きTVアニメと同じハードウェーザーというタイアップとして動いていたのだが……。


・そしてウェザーストの様子からリンは弟が操られているかもしれないと察してサイレントシーカーを展開する。これによりカルーラからの遠隔操作が弱まっていく。どうやらカルーラの手で操られるようになってから間もないことが幸いして、イチは完全に洗脳され切っていなかった。そして「父さんと母さんを殺したのは地球人だ、だから自分は復讐の為に地球を攻撃しているんだ」と半分操られながらもその話は偽りの記憶などではないようだ。地球人の誰かが既にバグロイヤー側で暗躍し続けている……玲也はもしかしたらと察するが、バグロックの攻撃に対してサイレントシーカーが破壊されてしまった。


・その間に第二波のチャージが完了しようとしていた。しかしイーテスト、ディエスト、レスリストの3機が救援に到着。レスリストのジャスト・ハイブラスター、イーテストのグレーテスト・キャノン、そしてネクストのアサルト・スタンランチャーの同時攻撃が、アポカリプスの第二波ともいえるレーザーを打ち消すことに成功した。これによりアポカリプスの主砲が破壊されるも状況からすればやむを得ない。これにカルーラはウェザーストを操り、邪魔と判断したネクストを始末せんとする。アポカリプスを停止させようとするネクストを背後からウェザーストが迫るが、ウィストはアサルト・スタンバーをカルーラの居場所をめがけて突き刺す。ウィンは玲也へお前を完全に許したわけではないから、イチを殺すようなことをすれば絶対にお前も殺すと彼女なりの激励を送り、玲也もこれ以上はさせない心境だった……目の前のイチを救うことがリンの戦う理由そのものじゃないか……と。


・だがカルーラは自分の死に際でウェザーストへ仕掛けたリモコン爆弾を爆破させようとしていた。リンは間に合わないのかと焦るが、玲也はアサルト・セイバーで何とかできるかもしれないと一か八かの作戦に出た。背後からオメガ・シュナイダーで自分を挟まんとするウェザーストに対して、背中のアサルト・ハーケンをサブアームで展開して、ウェザーストのサブアームを切断してオメガ・シュナイダーを無力化した上で、アサルト・セイバーでウェザーストの胸部を一文字に切り裂き、コクピットに亀裂を作る。これで目視でイチの姿を見ることが出来ると、玲也はウィストのコクピットを開けるようにリンへ伝える。戸惑いながらもコクピットを開けると無重力の空間に玲也は吹き飛ばされそうになりながらも、転送銃G1でコクピットの中のイチを直撃させることに成功。目の前から自分のコクピットに彼が映る様子を確認できたとともに素早くハッチを閉じる。


・イチが転送されて機体から引き離された事によりウェザーストは自然と消滅していき。仕掛けられた爆弾だけが虚しく宙域で爆散した。意識を失っている彼の頭部にカルーラからの遠隔指示を受け付けるバイザーが付けられていた為、リンが弟のバイザーを取り戻した時、目を開けた彼は「お姉ちゃん……」と安心したかのように彼女の手を取る。イチは無事だった……リンは思わず泣きながら彼を抱きしめるとイチも事情を察したかのように涙する。彼女の夢を果たすことが出来た。目の前の姉弟が無事な様子へ玲也は素直に安心した表情を見せる。


・だが消滅したウェザーストの後から仁の遺体が宙に浮いていた事をシャル達が捉える。ウェザーストがバグロイヤーに乗っ取られて今回の事件が起こったのだろうか。玲也は地球人が元々この戦乱を起こしたとのイチの話も気がかりだった。その翌日、玲也やシャル達の家はアポカリプスの被害から幸い免れていた。しかし学校の方では本人にしろ家族にしろ結構な数の犠牲者が出ており、このアポカリプス関係が収拾するまでは学校は休校扱いになるという。そして才人が登校していない事が気がかりであれから連絡も一つもつかない。心配して瑠衣へ連絡をしてみると彼女からは、そして兄の結婚式で両親や親戚がやってきたパーティー会場にアポカリプスが直撃して親族が全滅したとの残酷な事実を知らされる。才人が臨海学校に行っていたおかげで難を逃れたがそれで済む話ではない……さらに仁は殺される間際に「天羽院がバグロイヤーと手を組んでいる」との情報が届くものの連絡はそこで途絶えてしまう。瑠衣に何かあったのかと玲也は不安を抱く。そしてその不安は不幸にも的中する事となり、彼女は何者かに始末されていた事を玲也は知らない。

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