第17話「7月の悪夢!放たれたアポカリプス!!」~ストーリー構想など~

・玲也の学年は臨海学校に広島へ行く。それに向かってグループ分けがくじ引きでされるが……玲也、ニア、リン、シャル、ウィンまではまだしも、よりによってエクスが別のグループに分けられてしまった。ちなみに彼女の代わりに同じグループになったのは才人だった。これに玲也は彼じゃなくエクスにしてくれと頼むも、6人で男1人は拙いだろうとの周囲の反対意見があり、正直事情を知っているものではないと怪しまれてもおかしくない状況もあり渋々妥協した……エクスからすれば歯がゆいものだが。


・そして玲也は自由行動で厳島神社には訪れたいと考えていた。玲也が昔から毛利元就を尊敬しており、知将として父として彼に憧れ、彼のようにありたいと昔から思っていた。これは秀斗と彼を重ねている所もあるのかもしれない。ちょうど自分が三本の矢を従えている事もあるかもしれないと今の状況とも重ねていた。リンは三本の矢に例えると誰になるのかと問うと、玲也は吉川元春がニアで、小早川隆景がエクスとしたら、多分毛利隆元だろうとも考える。彼女は他の二人に比べて地味な存在なのかと苦笑するのだが……。


・それから臨海学校初日、同じ新幹線で玲也はシャル、才人に挟まれている座席に座っていた。才人からは先日の「電装大戦争ハードウェーザー」について、ウェザーストが格好良かったと熱く語るが、玲也が思わずあの勝手にクロストを攻撃したあいつがカッコよいのかと問い返す。これに才人はそんなシーンあったっけ?と真顔で問われる。これに思わず実際の戦場を撮影したリアルタイムの特撮のはずではと突っ込もうとすると、シャルから慌てて彼へ耳打ちして、実際放送された映像はCMタイムに合わせてカットされている所があると教える。ウェザーストが襲ったのはCMの合間を狙っていたのだろうか……天羽院らが一体何を考えているのか玲也の胸の内は不安に包まれていた。だが才人はその場面ってどこにあったのかと意外と玲也へしつこく聞いてくる。もしかしたら仲間割れする展開が用意されていたのでは、いわばディレクターズカット版が流出しているのではないか、そもそもリアルタイムの戦場を見に行った奴がいるのかとまで問い詰める訳で、玲也はお前の姉と仲良くなって見せてもらったとやむを得ず半分ぼかしながら真実を語った。


・すると才人は姉と仲が良い事に半分驚きながら、姉がどうだったか?と聞かれる。玲也はお前と似ている所はあるが悪い人ではないと述べれば、やはりそうかと少し照れくさくなっていた。才人は姉は自分に優しかったが家と折り合いが悪くカメラマンになるために飛び出してきた。自分も姉のように強く生きたいが自分はただのオタクでしかない。そんでもって、今日と明日が実は兄の結婚式があって家族や親族がそろって出席しているが自分は呼ばれなかった事を明かす。これが自分が家で期待されていない存在であり、それだったらお前と一緒に学校やゲーセンで盛り上がることの方が楽しいと明かす。お前がハードウェーザーに関心を持ち始めたと少しうれしい様子の才人は、元々仁の影響で知ったけど、自分が憧れているのはあそこまで強い存在だからなのかもしれないと自嘲を交えながら語る。その悪友に対して玲也は「別に強いだけではなく、いろいろと苦労しており悩むこともある。ただだから強いかもしれないな」と少し誇らしげに語って励ます。


・それから臨海学校の初日午後は自由遊泳だった。そこにアンドリューとリタもやってきており才人にやたらと絡む。この辺りはシャルが才人が出動時に邪魔になりかねないとの事から彼らに相手役を務めさせる意図があった。玲也は海から見える厳島神社に想いを馳せていると、リンがやってきた。彼女が意外と大胆な水着姿を披露している様子に玲也は「少し意外だ」と顔を赤らめる。毛利隆元の話について玲也は彼が跡取りながら長男として権威を振ることをしなかったことが、毛利両川を活かすことへ繋がっている、彼の財政的手腕は大きく毛利家に欠かせない存在だったと語る。昨日の例えでリンが誤解しているのではと彼なりに気遣っての事で、その気遣いがリンにとって嬉しいもので、隆元が父の為に自分の身を捧げる覚悟をしていたのに自分も玲也さんに対してそうあやかりたいとの事。これに自分の為にお前にもしものことがあったら喜ばない……と苦笑を浮かべた時、天から一筋の光が大きく真一文字に突き進むのを目にした。


――アポカリプスが完成直後に何者かに乗っ取られて地球に向けて放たれた。この光の筋に巻き込まれた世界各地で甚大な被害が発生している――エスニックからの報せを受けて玲也達は震えた。この非常時にまずは電装して現場へ向かい何とかこれ以上撃たせてはいけないと近くにいたリンと共にドラグーン・フォートレスへ急ぐ。かくしてネクストが出撃してアポカリプス付近へ電次元ジャンプ。天羽院からアポカリプスを破壊する事だけはやめてほしいとの通信が入るが、これだけ大勢の犠牲者が出ている状況でそれを言っている場合かと苦言する。だがアポカリプスがバグロイヤーを打破するために必要であり、そのアポカリプスはどうやら何者かにシステムを乗っ取られており、その管制部分だけを破壊すれば機能が停止するとの事。何とかサイレントシーカーを駆使してその管制部分をつつきとめるネクスト。彼の言っている話は実際本当であり、カルーラがアポカリプスを掌握しているとの事だった。ただ何故天羽院がそのことを知っているのか……との疑念もあった。


・そのときアポカリプスを護衛するバグレラ、バグロックの群れがありアサルトシュートとアサルト・セイバーを駆使して捌いていく。しかしその先陣に現れたのはウェザーストだが、神坂や仁の姿はそこにはない。だがリンの声を聴いたときウェザーストは彼女に攻撃する事を躊躇して「姉さん」と呼んだ――目の前の敵はイチ、私の弟だとリンは動揺を隠せない。だがカルーラから遠隔操作をされるとイチは苦しみ「地球人を殺さなくてはいけない、惑星ゲノムを苦しめた地球人が自分の敵だ」と自分に言い聞かせるようにオメガエネルギー・サーベルとオメガ・シュナイダーを駆使して猛烈な勢いで攻めかかる。「地球人が惑星ゲノムを苦しめている」ことへ玲也は戸惑いを感じつつも必死に応戦する。だが彼がネクストの足を止めている間にアポカリプスは第二波をチャージしつつあった。カルーラは自分はもう生身の人間の体でもなくなったが、その結果ハドロイドを従え、地球人をこの手で殺めることが出来る。とうとう自分はハドロイドと人間の上に立ったのだと狂乱していた……。このアポカリプスの脅威を広島は辛うじて免れ生徒たちは全員無事だった。だが東京近辺も被害を受けたとの報せがあり、生徒たちは家族や友人の無事もわからない中で慄いていた。アンドリューとシャル達はこの混乱のさ中にドラグーン・フォートレスへ急ぐ。アンドリューに絡まれていた才人はどういうことか困惑していたが、彼のスマホにバーチュアス関係者からの連絡が入り、彼は慟哭する事となった……。


・そしてこのアポカリプスの掃射にゼルガは戸惑いを禁じ得なかった。まだバグロイヤーへの反旗を翻す体制が整っていないとの事から立ち上がるべきかどうか悩む彼だが、ベリーの姉でマックスと行動を共にしていたブルーナがゲノムで逮捕されたとの報せが、ゲノム本土からフラディの通達で明かされた。彼は前線部隊の総司令官を務めるゼルガがレジスタンスと今まで内通していたのではないかと本土への召喚を命じた。既に彼を逮捕せんとする二番隊の面々がオール・フォートレスに接近しており、ゼルガは覚悟を決めなければいけない状況だった。

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