第6話「シャル頑張る!僕だってプレイヤーだから!!」ストーリー構想など

・あれから玲也とニアの険悪な関係は変わらず、ニアは出撃することを拒んだ。それでも玲也はいつも通りクロストやネクストで出撃していた。ただリンは玲也がこの所悪夢に魘される様子を知っており内心不安だった。このことを知ったエスニックは彼には酷な事をさせたと休暇を命じた。これは命令だと玲也を抑え込んで了解させるが、アンドリューは生ぬるいと若干不満があった。


・そしてその休日にシャルがやってきた。息抜きも大事だと彼女は前から練っていたデート計画に玲也を誘ったのだ。玲也の気はあまり晴れないがシャルも自分は両親と幼いころに死別して、その自分の両親がサイバーテロ組織に所属していても自分の事を可愛がってくれていたのは確か。そして荒んでいた自分を更生させたのは自分を引き取ってくれた今の両親であり、自分の道も両親が肯定してくれているのだと。この言葉に玲也は彼女にとって両親がかけがえのない存在だったと知って親近感がわく傍ら、ニアの大事な相手になる筈だったポーを仕留めてしまった事に罪悪感はやはりあった。シャルは玲也を励ますつもりが余計追い込んでしまったとゲーセンで気晴らしをしようとする。


・それからゲーセンではシャルが早速自分の腕を披露しようととある格ゲーで相手を叩きのめすが、その相手がガラの悪い不良でありシャルが因縁つけられてしまう、彼女を玲也が庇うが喧嘩になってしまい、パイプで利き腕を殴られてしまう。念のため尾行していたアンドリューによって不良たちは退散したが、この喧嘩で玲也が腕を痛めたと知ると彼は心配するどころか叱責した。心が痛もうと耐えて戦い続けることは出来る。だが腕を痛めて戦い続けることは出来ない。プレイヤーの生命線は腕だと。やむを得ない事情を認めつつつも、些細な私闘で腕を痛めたらプレイヤー失格だと。


・治療の為にデートは中断し、コンバースの元に治療するためドラグーン・フォートレスに向かった。そしてシャルが原因だと知ればエクスは彼女の頬を叩き玲也様に傷をつける原因を作って恥ずかしくないのかと叱責。彼女に叱られるのは癪だが反論することは出来なかった。その折玲也がプレイヤーであなたは違うとエクスは叱り続けるも、シャルは自分だってプレイヤーとしての腕はあるんだ!とエクスを逆に説得し独断で出撃して活躍しようと提案。それにエクスは玲也様が負傷した汚名を返上できるかもしれないと考えて乗ることにした。シャルはオンラインゲームでプレイヤーの資格を満たしてはいたが年齢制限から見送られ、その代わりに特別隊員として招かれた背景があったのだ。


・だが、エクスの様子がおかしい事から玲也はシャルが自分に代わり出撃しようとしていたと知る。シャルの後を追い玲也はすぐに搭乗。ハードウェーザーはプレイヤーが搭乗していなければ動かせないのだと指摘し、お前はどうして無茶なことをするのかと問う。だがシャルは玲也の腕の怪我は自分に原因がある、それが僕だけでなく玲也も苦しめている状況を打破したかった……シャルの想いを受け、すでに出動してしまった身で今更のこのこ引き返す訳にはいかない。渋々出動したがその矢先にバグレラ・フライトの編隊が接近しつつあった。イーテストとともに応戦していくクロストだが、アンドリューは玲也が負傷していることを考慮していないかのようなノルマを課した。これにエクスが反発するもシャルがアンドリューは自分が出撃していることを知らない、いや知っているがそれを気遣う男ではないと承諾した。


「この馬鹿玲也!あんたはそんな所で倒れてよい訳がないでしょ!!」


 しかし、機動力で攻めるフライトに動きに難のあるクロストではなかなか攻撃が当たらない。実戦を経験していないシャルに荷が重すぎたかと玲也は自分が代わりに動かそうとするが、腕の痛みからそれも難しい。その折にニアから玲也に対して激を飛ばす通信が届いた。玲也が内心苦しんでいる様子をニアは知っていたが素直になれなかった。だがリンがニアにブレストの追加武装でカウンタージャベリン、つまりワンダーストのマキシマムシャフトを継がんとする構想があると知らせたことで玲也はポーの事を忘れたくない、その分まで自分は戦わなければいけない思いがあったと気づいたのだ。“あんたとあたしでポーの魂を継ぐ”までは死ぬことは許されていないとの言葉に玲也は再起。シャルとエクスへゼットフィールドとソーサーシーカーを併用して相手の機動力を殺していくことは出来ると作戦を伝え、実際ソーサーシーカーを遠方へ展開してゼットフィールドを張り、そして距離を狭めていくことで高機動バグレラを閉じ込めていく。これならば相手は自由に動くことは出来ない、バリアーの内側なら攻撃が遮られることはないと、バスターショットとバスターイレーザーの一斉掃射で粉砕したのだった。


・その後アンドリューは玲也へ十分戦えるが念のため暫くは様子を見ておけと、実際はシャルの活躍だったのを敢えて知らないふりをして玲也を労った。そしてニアに対して自分は間違った事をしていないとは今でも思っているが、あの時ワンダーストのマキシマムシャフトは強かった、半分コピーだと思っていた自分を驚かせるだけのものはあった。だから俺はあいつのシャフトを真似することにした、そうしなければポーに報いることは出来ないのだと。そんな不器用なりな彼の謝罪に対してニアは、あたしはまだ許していないかもしれないけれど、もうなってしまった事を悔いても先には進めないから……仕方なく前に行くしかない。と彼女なりに玲也を許した。リンは二人の和解を喜ぶがエクスは空気を読まずに自分のおかげだとニアへ威張るので、やはり喧嘩になる。そんな様子を横目に玲也はシャルにやはり俺が認めたゲーマーだけの事はあると誉めれば、シャルは満面の笑みで喜んでいた。

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