第31話 解散、それぞれの道へ

*《クラウンの欠片、塊は、普通は高レベルの敵からドロップする。もう一つの条件は、単一部隊の構成数。普通のダンジョンだと数体程度だけど、この村は村全体が単一部隊扱い。その為、ドロップしやすい》


*《早速1個》


フォースが報告する。


*《見つけたら報告を頼む。こう、みんなで協力してる感じがいいよね》


ライトがしみじみ言う。


*《見つけたにゃあ、10個追加にゃあ》


トキが言う。


*《こっちは20個追加〜》


レイ。


*《10個です》


ユウタ。君達どんな狩り方してるの。10分後くらいに、早くも集まって合算しようという事になった。


《・・・まさかここまで早く終わるとは》


ライトがびっくりして言う。欠片132個、塊1個。大半が、新規加入勢が集めたものだ。


《でもまあ、これでギルドを作れる。みんなありがとう》


ライトがみんなを見て言う。


《ライトさん、お願いが有ります。俺は、ギルドマスターになって、最強のギルドを目指したいです》


フォースだ。ライトが答える。


《ギルドマスターはこだわらないが、その方針は受け入れられない。俺が作りたいギルドは、初心者支援を行うギルドだ。それを手伝ってくれるメンバーには残ってもらい、そうでないメンバーは、ゲームに慣れたら巣立って欲しい。勿論、それで関係が切れるわけじゃないし、困ってる初心者がいたらこっちに誘導して欲しい》


《上位ギルドには様々な特典がある。ギルドで城を所有したり、毎週貴重な素材を貰えたり、尊敬もされる。俺は上を目指したいんだ》


言い合っている。意見の相違、ゲームへのスタンスの違いだ。俺はこの辺りで抜けさせて貰おうかな。上を目指すのも、初心者支援も、興味がない。


《俺はこれで抜けさせて貰う。気ままに、マイペースに楽しみたいからな。上位ギルドには興味がない。申し訳ないけど、手伝いにも興味が無い。ライトさん、フォースさん、お世話になりました。助かりました》


またソロに逆戻り。もう少しゆっくりしたかったけど、泥々したのは御免だ。また寂しくなったら、どこか別のギルドに入るのも悪くないかも知れない。


《私はライトさんの手助けするよー》


メルヘンが言う。


《私も初心者支援を手伝いますね》


ホルンが言う。


《私も申し訳ないけど、初心者支援も手伝えないし、最強ギルドにも興味持てないにゃあ。だからシルビアさんのギルドにするにゃあ》


トキが言う。・・・ん?


《私も・・・ごめんなさい。まだ初心者支援とかは・・・まだ自分で手一杯なので。なので、シルビアさんにもっと鍛えて貰います》


と、ユウタ。あれ・・・この流れって。いや、違うよ。別に第三勢力に立候補したんじゃなく、このまま去ろうとしてただけだからね?


《私もシルビアさん!》


レイが言う。


《シルビアさん、よろしく!》


サクラ。


《僕もシルビアさんのギルドですね》


エレノア。


《分かった。メルヘンとホルンが俺と初心者支援のギルドを作成、フォースが最強を目指すギルドを作成、残りが、シルビアの作る、気ままにマイペースに楽しむギルドにする訳だな。悪かったな、誘っておいてほとんど支援できなくて。全てシルビアに任せてしまった》


どうしてそうなった。


《とすると・・・困ったな・・・ギルド作成のアイテム素材、2ギルド分しかない・・・》


と、ライトが言うと、


《大丈夫ですよ。私達は自分で集めますから》


ユウタが微笑んで言う。


《そっか、じゃあ、お言葉に甘えて、俺達のギルドと、フォースのギルドが使わせて貰う・・・そもそも、ほとんど君達が集めてたしね。ありがとう》


《悪いな。何かあったら頼ってくれ。きっと最強のギルドを作って、頼ってきた時は助力させて貰う・・・ではまた会おう》


<PT『リヴァイアサン討伐隊』が解散されました>


「そういえば・・・どうしてこの名前だったんですか?」


気になってた事を聞いてみる。


「ああ、これは・・・リヴァイアサンというのはね。この世界におけるレジェンド級のダンジョン、その内の1つがこの大陸にあってね。所謂、大陸ダンジョン。1階から鬼畜難易度、2階は各種ボスのオンパレード・・・そして3階は絶望的な強さの敵がひしめき、鬼畜なトラップが行く手を阻み・・・その奥にいるボスなんだ。最強PT、と言われたPT達が、アライアンスを組んで・・・12×5の60名で挑み、ようやく姿だけ確認できたと言われている。そのボスを討伐できるようなPTになりたい、そう思って付けた名前なんだ」


どこかで聞いた事ある洞窟だね。


「最強ボス、の代名詞、それがリヴァイアサン。何年か後には、せめて姿だけでも見てみたいね」


「ライトさん、俺のギルドがきっとリヴァイアサンを倒してみせるよ。その時は一緒に行こう」


多分1体ならソロいけそうだけどなー。


「なるほど、分かりました。ありがとうございます」


「こっちもそろそろ行くにゃああ!」


「ギルド素材集めないといけないですしね」


トキ、ユウタ。


「では、みんな、またー」


みんなでパーエモを出し、それぞれ歩き出した。

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