第25話 ダンジョンクリア

《まあ、別に負ける必要もないよね》


俺はそう呟くと、弓、疑似月弓を構えた。


ゴウッ!!


ムーンライトレインが放たれる。無数の光の軌道が、間断なくリッチーを貫く。


「ぬおおおおお?!」


手を振ると、上位アンデッド、スケルトンジェネラルや、バンシー、ヴァンパイアが召還される。


《離れて》


みんなにそう言うと、敵の群れに突っ込む。武器を無貌の神刀[長剣]と流星手甲に変更、そのまま、ヴァンパイアを両断する。塵となって消えるヴァンパイア。バンシーが詠唱をしているが、疑似雷槌に持ち替えてバンシーを粉砕した。


「貴様?!」


リッチーが更に召還・・・ドラゴンゾンビが現れる。武器を夢海月にチェンジ、首を鞭でひっかけ、首を地面に叩きつける。反動でジャンプし、疑似月弓にチェンジ。空中から放ったムーンライトレインが、ドラゴンゾンビを貫き・・・塵となって消える。再び夢海月にチェンジ、壁を押し、空中で軌道を変える。そのまま無貌の神刀[大剣]にチェンジ、スケルトンジェネラルを両断した。


リッチーに駆け寄ると、無貌の神刀[長剣]で猛攻を加える。反撃の隙等与えない。間もなく、光の粒となって消えていく。


<ボス流浪の魔術師が討伐されました。MVPはシルビアです>

<MVPボーナスは流星の杖です>


流星の杖[UR]

 悲運の人生を終えた魔術師が、愛用していた杖。

 高い魔法攻撃力補正、詠唱補助、使用イメージ補助効果がある。

 5つまで魔法イメージをストックしておき、瞬間発動する事ができる。

 魔力を消費して自己修復する


おー強い。


《凄い!シルビアさん強い!!》


レイが駆け寄ってきて抱きついてきた。てっきり引かれるかとも思ったけど、そんな事はなさそうだ。他のメンバーも駆け寄ってきて、口々に褒める。


《まあ、レベル上げれば誰にでもできるよ。それよりほら、クリア報酬だ》


みんなの視線を誘導する。その先では、扉がゆっくりと開いていく。


扉の先には、大きな宝箱が置いてある。・・・丁寧に罠がかかってるな。分子分解、致命的な奴だ。


《罠があるな、解除するよ》


宝箱に近寄り、罠を外す。尚、判断を待たずに突っ走って開けて・・・全滅とかもあるのだけど、みんな行儀いいなあ。


《宝箱・・・凄いですね。これはシルビアさんの物ですね》


うんうん、とみんなエモを出す。


《いや、ダンジョンクリアの宝箱は、PTみんな1つずつアイテムが貰えるよ。あまり離れてると駄目だけどね。この部屋くらいの距離なら大丈夫。開けるときは、あまり離れすぎないように気をつけてね》


ギギギ


箱をあけると、みんながおおっと声を上げる。俺が手に入れたのは・・・ゴミか。


《ミスリルの弓、なんか凄そう!》


レイが声を上げる。


《私のはローブか》


サクラがローブをしげしげと見る。


《私のはミスリルのシールドですね》


ユウタがシールドを掲げる。


《なんか可愛いワンピースだ》


エレノアがちょっと困ったようにワンピースを広げる。


《ティーカップ?家具かな?》


トキがひょこっと首を傾げる。


《マイハウスを持つ事ができるからな。そこで使う家具アイテム。悪い物ではないよ》


俺が教えると。


《マイハウス!家を持てるんですね!》


レイが嬉しそうに言う。


《そこにゲートがあるだろ。それに乗れば、ダンジョンの外に出られる》


《はーぃ!》


みんな次々とゲートに乗り込み、外に転送された。


《凄く面白かった!また明日も遊ぼう!》


《フレンドコード交換してよ!》


口々に言い合っている。


《シルビアさんもフレンドよろしく!》


レイがてとてとっとこっちにくる。他のメンバーもよってくる。別に断る理由はない。みんなとフレンドコードを交換する。フレンドコードを交換していると、ショートメールを送ったり、ログイン情報等を見たりできる。また、現在地も表示される。尚、状態をオフラインに設定するとオフラインに見えるし、シークレットにすると現在地が非表示になる。


《今日はなかなか疲れた。これで解散にしようか。お疲れ様》


《楽しかった!》


みんなジャンプしたり、パーエモを出したりしてる。疲れたし落ちよう。


《それではまた、おやすみー》


《おやすみなさいー》


疲れた、が、なかなか楽しかった。

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