第23話 地下2階と3階

前衛が先行しながら前に進む。敵の強さと量が一定以上なら、俺が射抜く、適宜休憩を挟む(ビバビバ)、順調に進んでいく。途中、小ボスを何体か倒し、レアを自動入手したけど。初心者マップに出るなよ。まあ、本来の通路じゃないところ進んでるせいかもしれないけど。


あっさりと2階への階段にたどり着く。


2階への階段を降りると、雰囲気が変わった。恐らく、本格的にダンジョン化したのだろう。敵のレベルも、1階が1〜10くらいとすると、40〜50くらいか。きつそうだな・・・引き返すか。


キノコの魔物が、こっちに向かってくる。サクラが挑発し、引き寄せる。攻撃を躱したり、牽制したり・・・エレノアの魔法がキノコを焼き尽くした。


大きく紫色のラットが2体、キノコが1体、スケルトンが1体・・・向かってくるが、前衛が上手く引き付け、エレノアとユウタが焼く。危なげないなあ、と言うか上達早すぎないかなあ。


《こいつら美味しいね!》


レイが嬉しそうだ。


インプ、キノコ、紫ラット、スケルトン、リビングメイル、バット。多ければ撃って減らすが、基本問題なく倒していく。途中、他のPTとすれ違う事もあった。このゲーム、外見ではレベルあまり分からないので、そうそう初心者PTとはばれない、と言うか君達手慣れすぎだろう。一応、識別等のスキルを使えば分かるが、PKでもない限りプレイヤーには使わない。


そしてたどり着く3階。ここからは、インスタンスダンジョン、PT専用のダンジョンとなる。いいのかなあ?


3階に入ると、低い声が響いてきた。


「ここまで来るとは、命知らずな奴らよ。名誉を欲してか、それとも我が宝を求めてか。だが、お前らが得るのは、死という結果のみだ」


《住み着いたダンジョンマスターと言う奴かな。王国から差し向けられた討伐隊とでも思われてそう》


俺の言葉に、レイが、


《私達が来たのが奴の運の尽きね。征伐してやりましょう!》


何でそんなに自信満々なのか。格上どころじゃないのだけど。まあ、俺がさくっと潰してもいいのだけど、と言うか危なそうなら潰す。


リビングメイルが2体、向かってくる。


《遅い!》


サクラが一体に斬りかかる。普通なら弾かれて終わりだが、トゥルークリティカルが入って敵がよろめく。


《はっ!》


レイがもう一体に挑みかかる。殴り、蹴り、蹴り・・・・流れるような連打、しっかりクリティカルを決めている。敵が剣を振り上げる・・・レイが横に躱し、ユウタのファイアボルトが直撃、バランスを崩したところを、トキが斧で強打・・・敵が倒れる。続けて、ボコってる。


サクラが相手してる方は、サクラが次々と連撃を加えている。サクラが蹴り飛ばし、敵がよろめいて下がり・・・エレノアのサンダーストライクがトドメを刺した。


レイが相手してた方も片付いたらしい。


《あちゃあ・・・》


サクラがポリポリ頭をかく。武器が壊れたのだ。むしろよくもったと思う。みんなに余ってる武器あげるか。レア度コモンの安い奴。一応自己修復付き。


《これを使うといい。安物だけど》


サクラに両手剣、レイにグローブとグリーブ、ユウタにスタッフ、エレノアに本、トキに斧。


《シルビアさん、ありがとう!》

《助かるぜ!》

《ありがとうございます》

《この本、軽いですね。ありがとう》

《凄いにゃあ・・・ミスリルだにゃあ》


まあ、壊れないし、補正もさっきまでの武器よりはマシだろう。


《これでボスも楽勝だね!!》


そんな訳ない。


もう一体、リビングメイルが来た。


《よっしゃああ》


サクラが斬りかかり・・・


シャッ


手を切り落とす。何だと?!


《せいっ》


ガッ


レイの蹴りが足を砕く。


《これで終わりです!》


エレノアが放ったサンダーストライクがリビングメイルを沈黙させる。ええええ・・・


《凄いですね、この武器》


ユウタも嬉しそうだ。いや、ただのレア度コモンのミスリル装備だからな。


《みんなかなり戦闘に慣れたみたいだね。ゆっくり先に進もうか》


ぐーエモ、みんなの頭にぐーの吹き出しが出た。

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