第20話 初めてのダンジョン

《この階段を降りた先が1階、敵が弱いので、初心者の狩りに丁度いい。2階から先は敵が強くなるので、行かないように。はぐれないようにしてね》


ライトが注意する。


《はい、分かりました》


ユウタが行儀の良い返事をする。


《えーー》


サクラが不満気な声を上げる。


レイが早速どっか行こうとしてたので、首を捕まえる。


《お、シルビア、ありがとう。さて、ここから1階だ。階段下りなければ2階に行かないので、覚えておいて》


広間に降りる。周りは水路で仕切られていて、結構広い。暗いので、暗視スキルがなければあまり見えないはずだ。


ライトが松明を出し、火をつけた。


ジジジ・・・


獣油の燃える臭いが漂う。遠くが見えるようになった。


《これは松明。ダンジョン探索には必須の物だから、切らさないように。他にも、ちょっと高価だけど、ダンジョン脱出のマジックアイテムもあるので、1つ持っておくと安心だね》


ちくしょう、レンジャースキルの悲哀。


キキッ


30cmくらいの大きさのネズミが、寄ってきた。


《ラットだね。少し強いけど、みんなで戦えば大丈夫。みんなで殴ってごらん。あ、エレノア、魔法使っちゃ駄目だよ。仲間にも当たるからね》


そう、敵だけを攻撃する魔法なんて存在しない。ちなみに、通常攻撃も気をつけないと普通に味方に当たる。ソロが楽。


流石に自分が混ざると敵が蒸発するので、辺りを観察する。水路に流れてる水は、明らかな下水ではないので、ビジュアル的には問題ない。入ろうとは思わないけど。


木箱、動かないオブジェクトに、エレノアがファイアーボールを放った。


ガシャン


音がなって木箱が崩れ、ポーションが落ちた。


《やったあ》


エレノアがアイテムを拾う。


《いいなあ》


レイが不満そうだ。


《あっ、ごめん》


立ち止まって動かなかったライトが動き、みんなに呼びかけた。

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