第2話

ロンドンで迎える3度目のChristmas


毎年、五十嵐先生からはChristmas cardが届いた


買い物から帰ってpostを見たが今年は届いてない

きっと、遅れてるのね

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こっちのクラブチームに入って3年、

去年のチームの成績は思わしくなく、

俺自身も思うようにプレイ出来なかった。

最近、このままここにいていいか、迷うようになってた


ミーティング終わりに監督から、ひょっとして、契約更新がないかもしれないということを聞かされた

薄々気付いてた

仕方ないことかもしれない

大して役にたたない日本人を残せるほどこのチームには余裕もなかった


静香に話さないといけない

そう思ってはいた

でも、心配は、かけたくない


彼女の待つ家に帰れりづらくなり、近くのbarで飲んで遅くに帰った


「ただいま」


「おかえり、遅かったね」


「あー」


「飲んでるの?」


「悪いかっ?」


「うううん、でも…今日は…早く帰るって」


「俺もいろいろあんだよ」


「何があるの?クリスマス一緒にって」


「……」


「もう、いいよ」



涙を見せたくなくて、その場から立ち去ろうと、慌てて彼の横を通りすぎた時、

グイっと腕を引っ張られ、ソファに座らされた

背中を向けた翔が呟くように言った


「悪かった…俺が…出てくる」


ガチャンとドアが閉まった途端

一気に涙が溢れた


いつだったか、喧嘩して私が出て行ったことがあった

翔はすぐに私を探し回って、見つけた時に泣きそうな顔で言った


「静香…頼むよ、心配なんだ。

もし、これからまた喧嘩することがあって、顔見たくなかったら俺が出てくから、なっ」


あの時のこと覚えてたんだね

喧嘩の最中にまで私のこと思ってくれるなんてどこまで優しい人なの


今日のことだって、きっと訳があったに違いない


ごめんね、わかってるのに…

早く帰って来て


たった今、出て行った彼の温もりが恋しくて…

居ても立ってもいられず、

雪が散らつく夜の街へ飛び出した

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