第9話

突然、告げられた言葉に頭が真っ白になった


戸惑っている私を無視して、吉沢くんはズカズカと部屋に入ってくる


「先生も俺のこと好きなんだろ?だったら…」


グイっと腕を引っ張られ、強く抱きしめられた


そこからは自分でもどうなってるか、訳がわからなかった。

1歩進む度に服を脱がされ、転がり込むようにベッドに押し倒される


この間、あんな優しいキスをした人とは思えないほど強引に唇から首筋へと唇が這っていく


やだっ、どうしてこんな、気持ちいいの

吉沢くん、慣れてるの?

まだ、若いのに経験が…


こんな状況なのにいろんなことが頭の中をぐるぐると回った

…けれど、すぐに、何も考えられなくなってた


私は夢中になってた

彼の動きに応えようとした

彼に悦んでほしいと思った


「先生、すごいよ、もう…」


「っぁあ、ンン」


強く深く吉沢くんが私の中に入ってくる

彼の動きが早くなり一気に…果てた


でも、息をついたと思ったら、再び、彼が胸の敏感なところを刺激し始める


「やっ、待って」


「今まで、どんだけ我慢してきたか。

足りないよ。何度でも、抱きたい」


彼の思うままに抱かれ、私は心も身体も痺れていた


吉沢くんの腕の中で先生ではない、彼のことが大好きなただの1人の女になってた


私達は世間では決して許されないことをしてる、そんなことわかってた


でも、お互いの気持ちは止められなかった




何度も何度も心の中にしまいこんだ

幾度も幾度も記憶の中から追い出そうとした


彼の腕枕で目を閉じると、

夢を見ているようで、

手を伸ばして額にかかった髪をといた


吉沢くんはうっすら目を開けるとギューっと私を抱きしめた


「もう、俺のもんだからな。

先生…しずか…って呼んでいい?」


「フフフ、いいよ、翔くん」


「くんって、子供扱いすんなよ」


「じゃあ…翔…でいい?」


翔は返事もしないで照れ臭そうに笑うと私の身体を優しく包んだ


私は顔を上げて彼の顎に口づけた


もう…

引き返せない


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