第7話
しばらくして、吉沢くんの自宅謹慎が解けた
今なら、まだ間に合う
彼に謝罪して、自分の気持ちに蓋をしよう、そう、思ってたのに……
「せんせぇー、頭痛いから、休ませてよ」
吉沢くんは何もなかったように、保健室に入って来た。
どうして、こんな普通に出来るんだろう。
私の方がよっぽど子供だ
変な負けん気が出てきて、私も平然とした態度を装った
「ほんとに、痛いの?」
「ひっでぇなぁ、疑うのかよ。
ほんとに痛いんだって。休ませてもらうよー」
「わかりました」
吉沢くんはさっさとカーテンで仕切られたベッドへ行った。
私はデスクに戻り、仕事をしようとしたけど、手につかない
「先生、ちょっと来て」
向こうから彼の声がした
「どうした?大丈夫?」
カーテンを開けて中を覗くと吉沢くんはベッドに座って手招きしてる
「え?なに?」
「いいから、ここっ」
自分の座ってる隣をポンポンと叩く。
私が素直に座ると………一気に押し倒された
強引にキスが始まったと思ったら、ブラウスのボタンが次々に外され、彼の手が滑るように入ってくる
「やっ、やめて、こんなところで」
「こんなところ、じゃなかったらいいの?」
彼が耳元で囁くように言う
「ダメだって、誰か来るから」
「来ないよ。もう、俺、我慢出来ない」
その時、ガタガタと扉が開いた
「翔~?お前、サボんなよー」
飛び起きて、服を整えた
「啓太、ほんとに具合悪いんだって」
「嘘つけ、お前、先生に会いたかっただけだろー」
友達がこっちに近づいて来た。
慌てて、カーテンを開けて出ようとすると、通りすがりに小さな紙切れを渡された
「先生、ありがとうございまぁーす。良くなったんで、教室戻ります」
「やっぱり、お前、元気じゃん」
「うっせぇ」
彼は友達とじゃれあいながら、保健室を出て行った
渡された紙切れには吉沢くんの携帯番号が書かれていた
私から連絡するか、試してる?
白衣に残る彼の香りが
火照った身体を更に熱くしてた
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