第3節 ②
地図を頼りに発信機が示す場所へと向かう。数分後、デバイス上の地図が指し示すポイントは自分がいる場所とほぼ同じ位置に重なっていた。
「……あれか」
波止場で佇む身長160cmほどの影。夏場にそぐわない長袖。その袖先からは、肥大化した爪が見えている。
「ちょっと、いいですか」
「……?」
「えっと、ここで何してるんです?」
「…………う、み。うみ。さがして」
(反応は薄いけど――これなら、ほぼ無傷で
「それに、治療中――だとも言っていたしね。治療と実験を兼ねていたところ、なんらかの隙があって逃げ出したんだろう」
そう呟きながら、
だが、
「それ、ソレは……!」
「ん……? 一体な――うわっ!」
「……なんなんだよ、一体」
「かえ、シテッ……! それ、は、カレの……!」
「何か癪に障って暴走のスイッチを、入れてしまった、かなッ……!」
「――これじゃ、銃を取り出す暇もないッ……な!」
タイミングを見計らい、
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