第2節 ②
確かに普段の仕事量ならば、
春頃は大変だったが、夏休みに入り事務処理も一旦落ち着き、盆休みを挟むので研究機関からの依頼も比較的少なくなる。
突発的な
だから、しばらくの間自分一人でも何も問題がない――はずだった。
現実は、センセイが佐渡へと旅立った次の日から、野良の
居候している少女――
春に遭遇した事件のせいで、彼女はいつにも増して塞ぎ込むようになってしまった。それがすぐに晴れるとは思わないが、半ば強制的なリフレッシュも必要だろう。自分を除くとこの事務所でマトモに仕事しているのは彼女だけなので、一時的に抜けられてもかなり困るのも事実だが、それでもまだ自分一人でどうにかなる範囲内だ。
しかし、しかしである。どうしてこうもタイミングが悪いのか。
これではいくら自分が部分的な
「顔を、洗おう……」
生物の突然変異はさして珍しいことではない。癌や腫瘍だって細胞の突然変異の一種だ。生物の身体は、大なり小なり何かしらニュートラルではない変異を起こした部分があるのが通常である。
だが――
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