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 椅子に座ったあなたはゴクリとつばを飲み込む。それからいっちょ前に手を振りかざすと、プロの演奏家のように気取って鍵盤を叩き始めた。


 しかし何故だろう、どんなに鍵盤を弾いてもピアノは音を発生させないではないか。あなたは意地になってどうにかして音を出そうと奮戦する。それに夢中になっている内にあなたの体に変化が訪れ始めた。


 何と、体のアチコチからきのこが生え始めたのだ。あなたが気付いた時にはもう手遅れで、全身に菌糸が行き渡り、一切の身動きが取れなくなっていた。

 そう、実はこのピアノ、宿主をおびき寄せる罠だったのだ。きのこの養分となったあなたはこうして短い一生を終えたのだった。


(きのこの苗床エンド)



 もう一度最初から

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885842811

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