ウクライナの戦後復興についてカネの面から考える(後編)〜「国債特会」←日本だけが持つ「魔法」を与える(  ̄ー ̄)y-~~


◎ウクライナ国債を速やかに発行させるべき ←最重要


もう一点、絶対に言わねばならないことがあります。「ウクライナに国債を発行させる」ということです。

国債の発行は政府の借金を増やすということです。戦後問題になるのは、ウクライナのような対外援助を受けている脆弱な国(政府)が借金を建てて良いのか? 借金に耐えるだけの信用がウクライナ政府にあるのか?…という問題です。これは破綻国家に常につきまとう大問題です。特にIMFなどは「破綻国家の国債発行は絶対反対」の立場です。しかし国債とは「通貨」であって、国債の発行は通貨の発行と同じです。そして通貨発行はインフレをもたらし、このインフレが経済成長を加速します。つまり国債発行は国力増強の原泉なのです。


逆になぜIMFが国債発行を嫌がるのかというと「インフレが加速する」とフリブニャのような「通貨の価値が下落する」からです。世界中がカネの支援をしてあげてるのに、その支援額の価値が下がるような「無駄なこと」をすべきでないということかもしれません。また破綻した国家の政府を信用できないという事も重要です。信頼できない政府が借金を重ねて更に自爆するような事態を避けたいということです。そのため国債の発行を禁止することを多国籍融資の条件にするのが通例です。この実例が1998年破綻の韓国です。韓国は国家破綻の後、IMFなどの指導により国債発行が禁止されました。このため資金不足に陥り、かえって長くデフレが続きました。復興の妨げになったのです。しかも韓国は政治が左右に分断され予算組みさえままならない程になり、国会の承認がいちいち必要な政府予算だけでなく、より容易に「政府の責任だけで」借りられる外債を借りまくって結局、10年に一度は通貨スワップでピンチを凌ぐ…という愚かな国に成り下がるのです。このリスクをウクライナに負わせるべきではないのです。


ウクライナ復興基金のカネはウクライナ中銀にあります。これは借金ですが、借金はウクライナ政府がしたのです。要するに借金したカネを銀行に入れているのと同じで、銀行はこれを信用創造の如く使う事が出来るというカラクリです。しかし「中央銀行のカネ(=資産)」なのです。実際には中銀なのでハイパワードマネーという、中央銀行が民間に流すカネ→数倍の効果をもたらす(ただしインフレ発生)ということですが、中銀がきっちり仕事の出来る環境を整えることでインフレと失業の問題を適切に管理し、同時に国力増強を図りたいのなら「管理通貨制度下においては債権の増加と適切な金利によって通貨の供給量が増えなければ、経済成長インフレは発生しない」という事をキモに命じるべきです。この「外貨準備」をベースに、増税出来る「信頼できる政府」が増税して政府債務の返済を行いつつ産業振興を図り、国力増強ができればよいだけです。


本編で述べたように、管理通貨制度においてはカネは国債によって発生します。そして通貨供給量の増加というインフレ=経済成長は市場金利に大きく左右されます。金利があれば、その分、通貨供給量が増えるということです。そしてこのカネを生成するための担保は「未来永劫に続く国民国家が生み出した有形無形の国富の総額」だったはずです。未来永劫続く国家が生み出す国富の現在価値である国民資産の一部を税金として徴収することで「担保」とし、この税金の一部を国債発行に当てる…というのが管理通貨制度のカラクリです。ならば「国富の総額」を増やすことが最優先であるべきで、このために国債の増発が必要ならば「やるべき」なのです。ウクライナ復興基金をIMFなどから切り離し、使用目的を復興委員会が管理する形にして適切なウクライナ国債の発行を保証すべきなのです。


速やかにウクライナ国債の発行を認める…これが今までの全ての復興計画とは違うポイントです。しかし重要です。債務を返済することよりもウクライナの民力充実を図ることの方がより重要です。民力が全てであり、特に輸出競争力のある国はデフレ政策を採用する意味はありません。無意味な国債発行禁止要項を盛り込むことよりも、増税出来る政府・増税に耐えられる経済力のある国づくりを行い、同時に福祉政策も進めて国家および国政の安定化を図るべきであって、これは旧ソ連系の体制から西欧型民主国家への脱却のために必要な「基礎体力」です。カネの融通こそが民主主義の基本です。繰り返しますが、戦災孤児や未亡人・戦傷者などカネに困っている人たちはたくさんいます。多くの人が家を失ってもいるのです。彼らにはカネが必要です。なら「カネを作るのを惜しむな」です。要は過度なインフレを抑圧することにのみ傾注すべきです。これは中銀の仕事です。「稼いで(借金して)カネを作る」…こういう政府であるべきで、インフレが発生して貧富の格差が生まれたら、これを福祉で是正する…というモデル国家を確立すべきなのです。



◎国債整理基金特別会計の設立 ←日本が考え出した極上に冴えた「魔法」


IMFの知らないことがあります。てか、日本人を始めとして全世界が知らない「魔法」を日本政府は持っています。特別会計のことです。何度も本編で述べたことですが超簡単に繰り返すと以下のようになります。


日本政府はカネに困ってるので国債刷って借金しまくり。この国債は民間にバラ撒かれた後で、公開市場操作によって日銀に買い集められた。しかし借金。返さねばならないことには変わりない。困った(´・ω・`)…


はっ…( ゚д゚)ハッ!

良いことを思いついた…(゚∀゚)!!ピコーン

「そうだ。この国債を元手に投資しよう!」


日本国債を元手にカネを借りたり、投信に組み込んだりして国内外の投資の元ガネとする。国債は腐るほどある(爆)のだから元手の額も大きいし、投資のリターンで国債そのものを償還することも出来るし、金利払いも出来る。自分の借金を自分で返して、しかも金利収入+売上でウハウハ…(^^)v


まるで日本が国ごとまるごと投資ファンドみたいだね(๑•̀ㅂ•́)و✧

ボロ儲け間違いなしだねヽ(^o^)丿


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という仕組みです。このため今日も日本は国家破綻してないのです。国債整理基金特別会計もまた情報開示が「全くなされていない」謎の組織です。特会なので運用方法について全く開示してないですし、結果報告を国会にするだけで終わり…です。阿呆な政治家どもに邪魔されたくない…という雰囲気プンプンで、ある意味、政治のポピュリズムを排除するのに成功しています。そこで「間違えていたらごめん」と言った上で、ワイが想定している国債整理基金特別会計の仕組みを話そうと思います。恐らくこんな感じです(^^)/


日銀が公開市場操作などで溜め込んだ国債や、政府系金融機関などが抱えている日本国債を一括して国債整理基金特別会計という「ハコモノ」の中にいれる(←国債特会で一元的に管理運営する)。その後で、日銀などがダミーの会社(おそらくは投資会社)を作り、ここに国債を貸し出す。合わせて政府歳出の「国債費」の現金も渡す。その後、この国債+現金を日本国内外の株式・債権・外為などに投資し、リターンをゲットする…というものです。理屈は簡単ですが、操作は相当複雑だろうと思われます…。


ダミー会社に現金+国債を渡した後、まずは現金で投資を行い、国債はイザという時に売却して得るカネとして残すのでしょう。その際、民間市場には放出せず政府系金融機関から国債を担保にカネを借りてるのかもしれません。というのも民間に売却すると国債の金利が上がる(≒日本国破綻のリスクが増える)からです。ワイ個人的にはこの他に日本国債を資産として直接組み込んで運用しているのではないか?…とも思うのです。リーマンなどで使われたテクで、運用資産の一部に日本国債を組み込む。儲けが出ればそれでよし。でなければその分、損失なだけ。国債なので金利が付いている分、普通のカネよりも価値はある。問題なのは大損した時には、その国債分の損失は他の稼ぎで穴埋しないといけないことと、国債なので金利が変動する(=国債の価値が騰落する)のでその分の補填をどうするか?…ということです。そのため、何か特殊で複雑な金融派生商品デリバティブでもやってるのかもしれません(失敗ると超危険…)。もう一つは国債は外為の影響を受けるので、これをどうするのか?…という事もあります。此処にもデリバティブでリスクヘッジを図ってるとは思われますが、もしかしたら外為特会がこの分の差損調整として使われているのかもしれません。この辺は情報が開示されていないので全て類推です。


当然ですが国債には利払いと償還があり、どちらも政府から支払われるので、このカネもダミー会社の運用資産になります。

勿論、ダミー会社は日銀(てか国債特会というハコ)から国債(と現金)を「借りている」ので返金しなくてはなりません。しかし運用して得たカネはダミー会社のものであり、国債は毎年発行されるので毎年、国債特会からダミー会社に貸し出されます。よってダミー会社は経年で資産を増やしていけるのです(爆)。こうして得た利益の一部は国債特会に還元され、このカネが日本政府の「臨時予算」として使われるのです。つまり「政府財源」ということです(爆。


国債は日本国債がメインでしょうけど、ダミー会社が購入した外国債権や公社債などもあるかもしれません。投資に関しては証券債権国内外がほぼ1/4とバランスは取れています。債権は主に公社債投信(MMF)と考えられ「ハズレのない投資」とも言われてるため、株式市場を攻め・債券市場で守り…という事と思われます。攻めの株式市場は主にETFなどで、これまた「20世紀最大の発明の一つ」と言われるものです。日銀がかつて東証を支えるのによく使っていたものですが、中長期的には安定しています(MMFほどではないけど…)。


この国債特会の形の凄いところは、「国債+現金」から始まって資産運用に回して爆益を出し、この利益で国債と金利を召還しつつなお多額の現金などの資産を手に入れる事が出来るということです。民間でごく普通にやっている資産運用の形態…ということですが、これを国がやっているのです。ならば「国が自分でカネ、稼げる」ということですヽ(^o^)丿

しかも稼いだカネは(国債の額がデカい=運用資産もデカいので)莫大な額で、毎年おそらく250〜300兆円規模になってると思われます(そう書いてある)。この稼ぎの元ガネは「国の借金」だったはずです。つまり「借金を回してカネを稼ぐ」という極上のテクで、これなら「いくら借金してもカネが増えるだけ」…という「魔法」だったのです。おまけに地震や新コロのような突発的な災害、不景気の時に企業などを助けるための政府の臨時予算の財源にもなるのです。


こりゃサイコーですヽ(^o^)丿

ウクライナ政府がこれをやったらいいのです…(  ̄ー ̄)y-~~


普通の国には国債特会はありません。市場を歪めるからです。日本がそうです。日本は国が豊かになる一方で庶民生活は全然ラクにはなりません。政府にはこの国債特会などを始めとした「政府資産」が実に750兆円もあり、当然、全世界の政府資産の合算値よりも遥かに大きいのですが、ワイらの生活はつつましいものです。しかし国家破綻を防止するのには役に立っています。そして国債特会という制度を構築し、国家破綻を防止した実績を持つのは日本だけです。このテクは日本しか持っていないのです。なら、国家破綻の危機にあるウクライナはまずは日本の国債特会を政府が導入し、破綻を防止することから始めたら良いのです。


この日本のやり方の場合、金利の管理が重要になってきますが大抵はデフレになります。国債が民間市場からなくなる(=政府系の国債特会に集まっていく)からです。これも物不足・産業力不足に悩むであろうウクライナの当面の問題であるインフレの抑圧に使えると思われます。また日本のように国債を1000兆円も抱え込み、この六割近くを国債特会で運用するという程の規模にならなければ市場の歪みも少ないはずで、流石に日本の場合は全てにおいて規模が破格すぎるというだけの事と思われます。またこのやり方ならばウクライナの国内市場に対する投資にも使え、これはウクライナ国力の増強に寄与するばかりか、日本のようにウクライナ株式市場をETFなどで下支えすることも可能です。


国債や税金を国内外で運用することは確実な利益を出します。時に損することはあっても中長期的には爆益です。「株式は10年でトントン。単年では大赤字を出すこともある。しかし30年では爆益」は鉄則です。債権(国債など)投資は「必ず金利が支払われる」のでローリスク・ローリターンな資産です。これらを組み合わせてウクライナ政府が運用し、民間を支えることにしたらよいのです。損することはありません。日本が破綻せず、ノルウェーで年金生活がハッピーなのも全て「政府が資産運用しているから」です。


唯一の心配はウクライナ復興基金の米国やIMFが「市場を歪めるからダメ(ꐦ°᷄д°᷅)💢」と言い出しかねないことくらいです。しかし「臨時措置」ということで押し通せばよいのではないでしょうか? 30年くらいの時限措置とし、実際にはウクライナ復興基金が解散したあとでもズーッと残しておけばウクライナも安心。カネは相当たまってるでしょうから、戦後、ボロボロになったロシアにでもカネを貸し付けてあげたら良いと思われます(笑

ちな、日本の黒田日銀総裁はじめ日本の政府金融関係者の天下り先に、このウクライナ国債整理基金特別会計がなりそうですね(爆)。でも日本がウクライナと世界平和に貢献できるとしたら、この分野だとも思うのですが…


戦後復興こそ本当の試練。戦争はアニメでも出来ることですから…

ウクライナの人たちの未来が日本やドイツのように見事復興して花開く…になりますように m(_ _)m




  ※     ※     ※



P.S.

ここではロシアからの戦時補償については取り上げませんでした。おそらくロシアは事実上の敗北になるかと思われます。その後、どうなるかがわからないために(ウクライナは当然要求してくるであろう)ロシアの戦争犯罪等に対する戦時賠償については「未確定」なため考慮にいれていません。


またウクライナの唯一の不安はエネルギー資源が乏しいということです。日本の戦後期は国内で石炭が取れたため、この自活できるエネルギー資源によって国力回復が計れたということがありました。なので石炭は黒いダイヤと呼ばれたこともありました。ウクライナはこうした資源がないために復興の足枷になる可能性はあります。日本のように多額の対外資産があれば、このカネでエネルギーを買い込むことも出来たのかもしれませんが…。ということはロシアの戦後賠償の多くはこの化石燃料での支払いになるのかもしれませんね。


あと「ロシア人には戦争犯罪の罪はない」という意見もあるかと思われます。無様なほどロシアから逃げ出している連中を見ると、確かにそうかもしれないとも思うので、ロシアが敗北確定時に、今度はロシア救済プランについても考えてみようと思います。今の所未確定なことが多いのでロシアに関しては保留にしました。

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