アメリカ経済で最近よく耳にする「高圧経済」ってなによ…(゚д゚)!?

「ワイのコラムなどの経済的な話を、皆さんの作品の中に使ってもらいたい…」


そう言い続けているものの、「なぜヤマト〜」は長いので「何処をどう使ったら良いのか分からない?」という事になってるような気がしています。こりゃアカン。


なので、ポイントだけ要約してまとめた別編〜内容ごとに手短にまとめたお手軽版みたいなのを作ったほうが良いのでは? …と思えてきました。皆さんの作品の中で使えそうな経済的な話を、棚から引っ張り出してくる手軽さでまとめられたら良いなぁ…と思うようになりました。少し考えてみます_φ(・_・


  ※     ※     ※


さて、本題です …m(_ _)m


バイデン米大統領の追加経済対策法案、上院通過-1兆9000億ドル

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-06/QPK4EXDWLU6I01?srnd=cojp-v2


要するに「あまり所得の高くない人たちを中心に、また15万円ほど現金をばら撒く」を中心にした、超大規模経済対策です。

ある意味、羨ましいですね(爆


今日の段階では最低賃金に関する項目で少しゴネているようですが、今月中旬までには上下両院で多数派を占める民主党が押し切る形で、ほぼ原案どおり通ることでしょう。これは日本で言うところの「補正予算」という臨時予算扱いなので、この後に本予算の審議が続き、そこでも想像を絶するほどの超大規模な財政出動が見込まれています。


しかし臨時予算だけで200兆円がつけられるというのは、さすがというか、やりすぎだろ?…と(爆)。米国連邦政府が国債を増発する(か富裕層に増税するか)でカネを用立てて、ばら撒く…という事であって、


「アンタら、そんなにカネ使って国家破綻すんじゃね…( ・᷄д・᷅ )?」


…的な危険が出てくるわけですが、連中は「全然大丈夫…⊂(^ω^)⊃ブーン」みたいな感じですね(爆


ちなみに米国は今日の段階で既に3,000-兆円もの国債 (連邦政府債権。各州政府などの地方債は含まない)を発行していて、ここに更にこの200兆円を上乗せする…ということですから、いくらアメリカとはいえども、流石に心配にはなるわけでして…

最近、米国国債の金利が急上昇していますが、経済復興が進んでいるのと同時にこうした米国財政への不安から米国債売り→金利上昇の流れもあるのではないかと疑っています。



  ※     ※     ※

  


ではなんでこんな大規模な財政出動を米国民主党は実行しようとしているのか? ですが、思うに「イエレン財務長官の高圧経済理論」の影響が大きいと思っています。「高圧経済」とは、元FRB議長で現財務長官のJ.イエレン女史が言い出している理屈で、語弊を恐れずにワイ的解釈をすると、こんな感じになります。



米国は貧富の格差が激しく、日本のように可処分所得の再分配による貧乏人への保証や、社会保険・年金制度などが完備していないために、貧困層が経済発展から取り残されがち。


また、所得の高い人は投資などの「金融資産」によってますます豊かになる。

他方、カネをもっていない中間〜下層階級は働いて稼ぐ「勤労所得」しか手段がなく、勤労所得はグローバル化などによって伸び悩み、結果、貧富の格差がますます広がる。


なので、仮に景気がよくなってもまずは「金融資産」をもつ所得の高い人が潤うばかりで、中〜下層階級は潤わない。

だったら中〜下層階級が潤うまで政府が財政出動し続け、勤労所得を直接向上させる→ばら撒き財政


…という感じです。物凄く簡単にいうと、です。

もともとイエレンは才女で、特に労働法関係を専門にしていた人物なので、この場合「貧困層の所得を上げる」ために「失業率が低下するまで財政出動を続ける」という意味だと思います。よって「失業率が十分低下しているか?」がキーワードの一つです。



この「高圧経済」だと、景気はよくなる→インフレ率が上昇する…わけですが、そうなると物価高や経済バブルの心配が出てきます。

このため本来は、行き過ぎた景気を冷やすために短期国債の金利 (政策金利)を上げるのが通常の政策なのですが、今回は「やらない」でますます景気を加熱させ、中間層以下の階級にカネが十分に行き渡るまで・もしくは失業率が改善するまで「政府が上から景気上昇圧力を加え続ける」という感じです。


日本でいうところの田中角栄の列島改造論的な公共事業政策みたいなものでしょうかね…( ・᷄д・᷅ )?

まだ中身は不明ですが、環境保護投資を重点的にやるみたいなことも言ってますけどね…( ・᷄д・᷅ )??


インフレで大変な事になりそうですね…( ・ั﹏・ั)?

他にもいくつか懸念はあって、米国ではこうした公共投資が成功した事は過去にありません。大抵は途中で財政が尽きてしまい、債務だけが残って結果が出ないというのが普通です。債務総額も心配です。予想では、このバイデン政権によってトータルで4,000-兆円もの債務を背負うのではないかと想定され、この国債の利払償還に80兆円近くが必要になる時代がくるのではないかと思われるからです。


一年間に借金返すのに80兆円も使うのかえ…(゚д゚)!?


でも、米国は「大きな政府」であって一年間の予算はだいたい460-500兆円規模ではあるんですが(爆)

大体、日本の五倍くらいですね。ちな、二位は中国でだいたい170兆円です。



  ※     ※     ※



しかし、より心配なことがあります…m(_ _)m

1997年のアジア通貨危機と同じような危機が発生するのではないかということです。


米国が超大規模な金融緩和+財政出動 (+給付金ばら撒きなどの弱者直接救済)によって、景気、一気に回復!

→インフレ加速

→しかしまだ金持ちしか潤ってないので、インフレ抑制策は取らない →米経済ますます過熱(バブル)


…少しやばい(´тωт`)。゚

→やっぱり金利を上げる(FRBが)


すると、この高くなった米国金利目当てに、米国以外からの投資を引き上げて(米国に)突っ込む「レパトリ」が発生する

→引き抜かれた途上国が資本不足に陥り、デフォルトする…


このメカニズムです。

新コロの時が特にそうですが、途上国や新興国はまだまだインフレ懸念が強い国ばかりです。基本的に国内に資本力が足らないために、経済が混乱すると物不足もしくは経済力が鈍化し物価高や賃金下落 (これには失業を含む)が発生しやすいからです。


このためインフレ抑圧のために金利が先進国などに比べて高いことが普通です。逆にこの高めの金利に惹かれて、海外から多額の資本が流入し、これらの国の経済を支えてるのですが、米国で金利が上昇すれば途上国にカネを突っ込む旨味が消え、米国にお金が回帰する…という流れです。

厄介なことに途上国などは新コロで大打撃を受けているため、こうしたカネの引き抜きには脆弱です。具体的にはマレーシアやインドネシアなどに加え、多額の官民債務を抱える韓国なども該当します。


なにより厄介なのは、高圧経済を唱えるイエレンは、実はFRB議長の時にコッソリと五回も金利を上げていった…ということです(爆


やってるじゃねーか、テメー(# ゚Д゚)!!


彼女がFRB議長に就任した時には、まだリーマンショックの酷い不景気の頃で、このときから既に高圧経済という話をしていました。しかし米国経済の復調にあわせて、結局、金利を徐々に上げていった…ということです(爆


なんかキナ臭くないですかね…( ・᷄д・᷅ )??


勿論、彼女が金利政策を管理できる立場ではありませんが、FRBとも気脈が通じていると考えるのが普通ですから、これから数年にかけて徐々に金利が上昇していくのではないでしょうか? そう考えると2024年までに経済危機が発生してもおかしくはないですね…。


特に民主党は、日本だけでなくアジア全体に対して厳しい政権ですからね。国内の失業に重きをおいている政党なので、やむを得ないのかも知れませんが、将来は結構不安ですね…( ・ั﹏・ั)

備えだけは怠り無く…m(_ _)m




【補足】

これとは別に深刻な問題もあります。

この米国の給付金の基準ですが、「生活が苦しい」とされた人の年間所得が実に750万円規模ということです…(゚д゚)!?


これは決して羨ましいということではありません。

米国で過去20年に渡って年平均2.5-2.6%の経済成長率が続いた場合の「物価高」の結果です。ちなみにこのインフレ率だと約20年で現金資産は7割に「目減り」します。


この持続的なインフレのせいで、年間所得が750万円でも「生活が楽ではない」という事になっているのです。

インフレは持続的であることはむしろマズいことで、インフレ高成長期とデフレ低成長期がサイクルになってる方が良いのではないかと最近思えてきました。


「賃金もあがるけど、物価はもっと上がる」…では結果として生活苦にしかなりません。日本を除くほぼ全ての国がそうで「実質的な賃金が上がった」としても無意味ということです。

こういう国のメリットはたった一つで、日本のような長期デフレの国にいくと、全ての物が安く手に入り、しかも高品質ということです。要するに日本にとってメリットがでかいということですね。事実上の日本円切り下げと同じ効果がでますから(爆


OECDの数値はほとんど意味ないと思うんですがね、これだと…( ・ั﹏・ั)?

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