ロジスティック方程式からみる、日本で死者が少ないたった一つの理由について

高瀬でございます…m(_ _)m


まさかここまで被害が酷くなるとは夢にも思いませんでした…。

2020年の5月最終週の段階においてですが、感染者数ほぼ500万人・死者35万人に至り、今後ともさらに増加することが予想されるほど事態は悪化しています。今日の段階で日本および世界の主要国は都市封鎖(自主的封鎖を含む)の解除の方向に進みつつあり、この困難な状況下でもなんとか以前の生活を取り戻そうと必死になっているという状態です。日本でも多数の死者(5/25の段階でおよそ900人)と、三月以後の欧米由来の新コロによって毎月300人もの死者数が出るという前代未聞の事態になってしまいました。それでも感染者数および死者数は欧米程ではありません。


日本の新コロ対応に関しては「ズサン」と言われるほど酷く、また他国のようにPCR法検査の能力が高いわけではないのに、感染者数および死者数が他国よりかなり低いことは常に話題になっています。よく言われるのがBCGの効果という話で、筆者もこれまで幾度か話題にしてきました。


しかし死者数および感染者数を調べた所、BCGのオフセット効果は「無いのではないか?」という結論に達しました。BCGを接種しているアイルランド(日本の人口の僅か4%)で感染者(日本の1.5-1.8倍)・死者多数(日本の二倍)であることや、逆にBCGを接種していないイスラエルは感染者で日本と同じ程度で、死者に至ってはわずかに300人である事が理由です。


特にイスラエルは興味深い国です。この国は新コロの対処法として韓国を手本とし、同じような「検査→隔離」という戦略を採用しているようです。しかしイスラエルは韓国と違い乳幼時期におけるBCG接種がなされていない国です。ならば韓国とイスラエルとの比較は「BCG」のオフセット効果を示唆する可能性がありましたが、今の所、イスラエルは韓国と同じような数字で、韓国をパクったらそうなった…の典型例なのかもしれません。無論、新コロは主に合併症を引き起こすので(つまり別の病気で死ぬ…と統計することも可能)超過死亡を丁寧に調べねばなんとも言えないのですが…。


こう考えると、日本での死者の抑圧の主因は「専門家会議の実施している戦略の勝利」←単純にこれだけではないでしょうか?


「なぜ日本は〜」の本編でも述べましたように、日本の対新コロ戦略は一貫していて、「クラスタの早期検知とこの撲滅」たったこれだけです。要するに「最初の一人を最後の一人にする!」という徹底した初期封殺戦略の戦略の正しさのおかげだと思われるのです。


そこで別の単純なグラフを提示しようと思います。「ロジスティック方程式」です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F


これは、ある生物がある環境に適応放散していくときの概念図で、


・最初はゆっくり増殖期(=「/」)

・ある時にブレイクスルー&爆発的増殖期(=「Jカーブ」

・環境収容期(もう増えない横ばい=「ー」)


…の3つの時期があり、指数関数的に増殖するという一般論です。


ウイルスが生物かは分かりませんが、日本はただ単に初期封殺に徹していたので数が増えず、「最初はゆっくり増殖期」のままだった…と考えるのが自然と思えてきました。実際、日本における感染者数の増加を対数グラフで見てみると一貫して「ゆるやかな横ばい(=「 / 」)です。


これに対して欧米は初期封殺に失敗して「ある時にブレイクスルー&爆発的増殖期」(=「 Jカーブ 」)になったと考えればよく、爆発的な増殖期になってしまった後では既にPCR法検査をしようが何をしようがどうにもならなかった…というだけかもしれません。


興味深いのは、新コロにおける後戻りできない「ブレイクスルー」はどこか?…という問題です。

これは抗体検査で分かるのかもしれません。


現在、世界各国で抗体検査が行われており、感染者および死者多数のニューヨークなどでは12-20%、多数の死者が出ている貧困層では33%に達する(つまり1/3が一度は感染した可能性がある)という数字が出ています。他方、日本の場合、まだこの検査が行われてないのですが、慶応大学などの検査ではおよそ6%とされています。慶應の場合、自分のところに担ぎ込まれてくる患者が「実は新コロ感染者だった」場合の院内感染を恐れての予備検査の数字ですし、そもそも抗体反応検査の精度自体が「物凄く悪い」ようなので、数字も結論も断定も出来ません。


よってあくまで「小理屈」という事でご容赦願いたいのですが、後戻りの出来ない「Jカーブ」は、この全人口に対する感染者割合が「6%以上12%未満のどこか?」と言えるのかもしれません。このラインを超えないことが新コロを抑圧しつつ、我々が社会活動を再開する一つの目安になるのかもしれませんね。


最後に、日本の死者数が実に1000人にも及ぶ(死亡率は5%に近い)のは、単純に「死にやすい老人層が、死者の殆ど」ということであり、この多くが院内感染等の理由によるとすれば、それは市中感染やPCR法検査の問題ではなく、医療現場・介護現場での感染対策の包括的な改善が求められるのだろうと思います。勿論、この謎の感染症に対して誰かが責めを追うべきとは思えないのですが…。どうしょうもなかったですよ、実際。


それにしても欧米があまりに気の毒です…(TдT)

僕が欧米贔屓だからかもしれませんが…

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