乱君ありて乱国なし

 ろくでもない君主がいる国は、ろくでもない国になる間もなく滅びて無くなってしまう。ダメなリーダーは瞬く間に組織を破壊してしまうという意味で用いる。


「あの企画って今どうなってる?」

「中止になったよ。プロジェクトリーダーがメチャクチャで、乱君ありて乱国なしの言葉通りになった」

 のように使う。


 この言葉は長らく正しかったが、民主制の登場で、少々事情が変わってきた。

 全ての市民がリーダーの権限を分けて持つ事によって、ゆっくりとダメになっていく事が可能になったのである。

 これにより、史上初めて、この乱君にしてこの乱国ありという状況が出現する可能性が生まれたのである。

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