問㉟ 『転』を考えるの、難しくないですか?

 ということでようやくの『転』の章です。

 実は私的には、この転を考えるのに一番苦労します。


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 起と承は物語を広げて、深めていく過程、そこは結構アイデアも浮かぶんです。

 問題はここから、どうやって意外な展開を持ち込むのか?

 それがどの程度なのがいいのか?

 ここに迷うんですね。


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 まぁ必ずしも急カーブを曲がるような『転』を書く必要はないと思うんです。

 でもそういうスリルがあった方が物語が楽しいのではないか?

 そんな風にも思うのです。


   ✒


 さて、ここで改めて私の考える物語の基本スタンスを書きいておきます。


 最初のページを開いたときに「どんな物語が始まるんだろう?」とワクワクしてほしい。

 ページをめくっていくごとにキャラクターを好きになってほしい。

 本を読み進めていくうちに、主人公と一緒に、喜んで、怒って、泣いて、笑ってほしい。

 クライマックスでは「次はどうなるんだろう?」とドキドキしてほしい。

 そしてラストシーンでは感動してほしい。

 エピローグを読み終えた時に「あー、面白かった!」と思ってほしい。


   ✒


『転』の章ではこの「次はどうなるんだろう?」という部分を持ってきたいわけですね。

 ワクワク、ハラハラ、ドキドキ、なんでもいいんですが、なんかそんな気持ちにさせるストーリー展開ですね。

 そして『クライマックス』と呼ぶにふさわしいようなシーンやエピソード。

 積み上げてきたモノが花開くような展開。

 それはもう理想ばかりなんですが……


   ✒


 ちなみに私の場合の『転』を振り返ってみると……


『若君~』ではある日を境に吸血鬼があふれる展開にしました。

『ボーイズ~』では金持ちだけが死ぬウィルスの突然の蔓延。

『賢者~』では結婚式の日に唐突に強盗事件が起こります。


 もちろん伏線は張っていますが、それでも結構がらりと平穏が崩れるパターンが多いんですね。

 書き出してみると、そういうのが好きなのが良く分かります。


 ちなみに無月弟さんの『お隣の吸血鬼くん』もまさにこのパターンですごく楽しめました。


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 あとちょっと変わったところでは、短編ですが「モノノ怪クリニック」ですね。


 これは語り手が前半、後半で別れており、前半は『起』と『承』、後半で『転』と『結』という具合に分かれておりました。

 まぁ問題を起こす前半パートと解決する後半パートですね。

 これはあまり転を意識せずに書けたので書きやすかったですね。

(……第二部が滞っているのになにを言ってるんだ? というご意見もありそうですが、まぁそれはそれです)


   ✒


 さて、皆さんはどんな風に『転』の章を考えていますか?

 これまでのコメントを読んでいると、結構『転』はさっさと決まる、という書き手さんも多いかと思います。

 また転はこんなのが大好き、なんてのもあるかと思います。

 私と同じく苦労している人もいるでしょう。


   ✒


 よかったらちょっとナイショで教えてほしいものです。

 なんかいつもの思考にちょっと違うベクトルが入るって大事なことだと思いませんか?

 ささやかでもそんな意見交換の場になるといいですね!

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