問㉚ 『承』に詰め込みたいものとは?

 さて『起』の章はこの辺りでいいでしょう。


 『起』では、とにかくワクワク感を持ってもらいたい。

 そのために必要なものを考えてきました(私なりに)。

 『共感』を呼ぶ出だしとか、世界観とキャラクターの印象付けと、最適なエピソード選び、それから動きのある展開。

 こんなものがページをめくらせる原動力になるのではないかと。


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 で、次の展開は『承』のパートですね。

 私的な解釈で言えば、もっとキャラクターのことを知ってもらい、主人公と一緒に、喜んで、怒って、泣いて、笑ってほしい。

 という所になります。

 もちろん喜怒哀楽の全てを詰める必要はないですが、出来ることならこれらは全て入れたいとも思っています。


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 この辺りのこと、共感していただける方がいるかどうかも興味がありますね。

 そんなにはいらない、とか、かえって不自然、と取る方もいる気がします。

 しかしながら、私としてはこだわって入れたい要素としています。


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 なぜか?

 単純にいってキャラクターとストーリーに厚みが出るからですね。

 それにもう一ついえば、読み手の感情を動かしたいという欲があるからですね。

 これを意図的に目指すことには賛否両論がある気がします。


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 しかし、私としてはそうしたいという目標があるのですね。

 私がそもそも物語に魅せられたのはスティーブンキングの『シャイニング』を読んだからです。

 あの物語、当時は本当に怖くて、クライマックスでは思わずページを閉じました。そんなことをしたのは初めてでした。

 物語が現実に作用し、私の手を使い、パタンと本を閉じさせた、そんな風に感じました。


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 これはすごいことだ、と当時の私は思いました。

 本を読んで泣いた経験がなかっただけに、それは強烈な印象として残りました。

 だからそんな物語を書いてみたいと、強く思うようになったのです。

 もっとも最初は怖がらせたい、だったのが、作風も変わり、とにかく心を動かしてみたい、に変化しましたが。


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 ちょっと長くなりましたね、また。

 とにかく『承』の方では、この辺りのエピソードを事前に仕込む必要があると思うのです。

 感情の分配、というと過ぎる感じがしますが。


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 これから来る『転』では『怒り』のエピソードが出てくることが多いと思うわけです。『結』であれば『喜び』とか。

 であれば『承』のあたりでその他の感情をしっかりと出していく必要があるのでは、なんて考えるんですね。


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 まぁこれも心がけで上手くいっているかは別問題です。

 書き出すとこの辺りは混然一体となってたりもします。


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 それでも感情の発露はクライマックスの大事な要素だと考えてます。

 そのための仕込みを承の中に仕込みたいな、と。

 クライマックスを盛り上げるための伏線みたいなものですね。

 あとキャラクターに親近感を持ってもらうための方法みたいなものというか。


   ✒


 さて、また長くなりましたね。

 みなさんは話を盛り上げる『承』のパート、こんなことにこだわっている、なんてありますか?

 ちなみにこのシリーズも、もうちょっと続きます。

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