第2話 乳がん手術
2年半前、私は、乳ガンの手術をしました。
ガンが見つかった時は、もちろんショックだったです。
まず、考えたことは、『死』
その次に考えた事は、胸が片方無くなる?
もしくは、両方無くなる?
インターネットでも、いろいろ検索して調べました。
全ては、人間ドックで、胸の決まった所に毎月のように湿疹が出来るのが気になるといった問診から始まったのです。
マンモ検査で、異常が見付かりました。折しもその場所は、湿疹が出来ていた場所でした。
すぐに、大きな病院での検査を進められました。
この頃は、誰にも相談できずに、心配な日を過ごしていました。
仕事は相変わらずストレスのたまる日々。何時から始まったのか分からない内に、回りの視線が冷ややかなものに変わっていっていました。
その原因も良く分からず、『自分が分からない内に、誰かに何かしてしまったのだろうか?』『気がつかずに、嫌なことをしてしまったのだろうか』『傷つくことを、言ったりしてしまったりしたのだろうか』もんもんと悩む日が続きました。
日によっては、その事が気になって、眠れない夜を誤魔化して無理矢理眠ることがありました。
その内体調も悪くなり、少し貧血ぎみになり、無理なことをすると怪我するようになりました。
でも、アンプルをこっそり飲んで、大丈夫な振りで仕事を続けていました。
ーーーーーーーーそんな中での、乳ガンの疑いーーーーーーー
精神的なものが、限界にきていました。ストレスで、過剰にお菓子を食べてしまう毎日。物の衝動買えが増えました。トイレが近くなり、下痢が増えました。
追い討ちをかけるように、『あなたよく仕事をさぼっているんだって、ちゃんとまじめに仕事をしなさいよ』と、通りがかった、知らない職員にいきなり言われ、訳も分からず、吐きそうになりました。
そんな中、無情にも、ガンかどうかの検査は進んでいき、インターネットで調べた手順がどんどん進んでいく。そして、もう乳ガンの疑い要がなくなって、そこで思いきって母親に話をしました。
泣かずに話が出来るのか分からなかったです。
さすがに、母もショックだったようで、いろいろありました。(親子バトル? でも、私の体を気遣ってか、弱々しいものだったです)
最終的な検査には、母も付き添い、一緒に話を聞きましたが、あまり当てにはならなかったです。逆にしっかりしないというきになったのは、笑える話です。
一応、検査には、仕事が終わっていけるようにしていました。ただ流石に、残業はできなかったです。
そのことで、また『時間外をまったくしないんだって』という人が出て驚いたのは、今となってはいい思いでです。
突然のことで、何も言えず黙っていたら、色々言って、反論してこないって事は、自覚しているのねと去っていった。そのことで、私も学習をしました。
時間外を、毎日、一時間していたが、それは、残業じゃないんだと驚いたものです。
それどころか、正規の職員はもっと仕事をしているのだからと、だらだらと残ることを強制されたこともありました。
その日は、悔しくて家に帰って泣きました。
そんなことがあった後、言い返せるように何度も家で練習しました。そのかいあって、病院のために残業なしで帰ろうとした時、『何、時間前に帰っているん。仕事ちゃんとしなさいよ。相手の人が困っているでしょう』と言われ、『私の勤務時間は、3時までで、何時もは4時まで残っています。病院に行くのに、勤務時間ちょうどで帰るのはダメなんですか?』何とかその人に言い返すことが出来た。その事が、ただ嬉しかったです。
その方は、よい方だったようで、『そうよね。そう言えばそうよね。ごめん、今のは忘れて』と言って去っていきました。
ほっとすると同時に、誰かが、私の事を、『仕事をしない』『サボる』『時間外を全くしない』などといった悪口を言っているという事実に悲しくなりました。
私は私なりに頑張って仕事をしていたつもりですし、私の能力は低いと思っていたので、出来るだけ努力していたつもりにだっただけに、自分の中のアイデンティティーが破壊されるような感じがしました。
実際、それを言っているのが誰かよくわかって、まさかな気持ちでした。
でも、後から考えると、そう言えばこんなことがあった。
あんなことがあったと、ぽろぽろぽろぽろ出てきて、やはり、あれは嫌がらせだったんだと、実感しました。
その頃から、嫌がらせも酷くなり露骨になってきました。
もう、これでもかと酷かったです。
私に対して、まったくかくさなくなったのです。
・1週間も入院するなら、残業をもっと出来る人がいいから辞めたら(病気なのに無理しても善くないから心配して言っているのに、悪く悪くとってなのよ)もちろん、残業代はつきません
・来年の備品の要望ある? ああそれは、無理ね(一応要望を聞いたのだけど、ないそうよ)
万事がその調子でした。
極め付きは、土砂災害と乳ガンの治療である、放射線の治療が重なったことでしょうか。それについても、『あの人は、しんどい仕事はやろうとしないのよ、私だって腰痛を無理して手伝っているのに』というのを、これ見よがしに目の前で他の人に言われたときでしょうか。
放射線を当てる位置はマジックで書いてあるだけなので、汗をかくと消えます。照準位置がわずかでも狂うと、治療は失敗なので、ものすごく厳重に注意をするように言われていてお風呂にも入れなかった時です。
放射線の治療の影響で、疲れやすく、体が重く感じられて辛かったです。
その時に、私にいじめられて病気になったとか言われたさいには、私は貴方の制で乳ガンになったのよと言いたい気持ちになりました。
でも、1年契約で、1日6時間の雇用である非雇用は、立場が弱いです。言い返せるはずもなく、更に影で何を言われるかわかったものではなかったので、その場を逃げて泣きました。
あれから、乳ガンの方は落ち着いています。しかし、筋腫の20センチという大きさに、体が悲鳴を上げ、今回開腹手術を受けました。
この4月、上司に希望を出して、職場は変わりました。今度の職場では、病院に行くことで、色々言われないどころか、『頑張ってメール』が届きました。
あまりの違いに、驚きつつ、迷惑をかけてしまった分、頑張って仕事に取り組もうと思っています。
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