第5話、『 アホ 』の可能性

 さて、ここまで『 アホ 』と『 優等生 』を対比させて、私なりの持論を展開させてみましたが、いかがでしたでしょうか?

 納得して頂ける方もいれば、それこそ「 コイツは、アホだ 」と反論される方もいる事でしょう。 まあ、そう思う方はある意味、納得して下さい。 私は『 アホ 』なのだから・・・


 いよいよ、本説です。

 ここまで、必要以上に『 アホ 』を賛美して参りましたが、なぜ、私は『 アホ 』に期待をするのか・・・?

 それは、言うなれば究極の結論となりますが、前項でも触れさせて頂いた通り、私は未来に対し、大いに期待を抱いていたいのです。

 それ故に、未知の可能性を無限に持つ『 アホ 』に着眼しているのです。


 可能性は、全て未来にあります。


 人生を成功させるのも、成功させる運命にあるのも、全ては未来の事です。 今ではありません。 生まれて最初から大人だった者がいないのと同じく、成功者は、最初から頂点を掴んでいた訳ではないのです。

 未来に、希望を持つか持たないかで、現在のモチベーションは変わります。 より良い未来の為に、一生懸命に努力出来る者が、人生の覇者と成り得るのです。


「 努力くらい、誰だってしてるぜ 」


 その通りです。

 努力しない人間は、人間ではない。

 努力こそが人間の証であり、未来に可能性を見い出す事・・・ すなわち、夢を持つ事こそが、人が人たる所以です。


 努力のボリュームは、人それぞれだし、その価値観・認識も様々でしょう。 私が、声を大きくして言いたい事は、未来への期待・希望を、『 アホ 』みたいに大きくさせろ、と言う事なのです。

 『 普通( 常識 ) 』・『 優等生 』では、未来における価値観は、極めて現実規模。 それもそうでしょう。 現在の状況・状態から割り出された未来を、己の予定に置いているのだから・・・


 ある意味、平和ではあるが、平凡と感じる未来・・


 『 優等生 』は、人並み以上に勉強・研究して来た経緯があるだけに、現状が非凡では、どことなく納得しないのが常です。 満足を得る事が出来ないのですね。

 『 アホ 』には、この『 満足 』が無いだけ、時に、途方も無い未来を描く。


 これなのである・・・!


 現状から得られる情報より捻出された可能性などは、全く無視し、少々、冒険的な想像をしてみないか?

 その想像は、本当に100% 不可能なのか・・?


 人生、ナニが起きるか分からない。 だからこそ、面白い。


 ここで、1つ、ご注意下さい。

 途方も無い夢を描き、努力してみたがダメだった・・

 そうなった時に、私に責任転嫁するのはヤメて下さいね?


 夢に向かって努力していた時、描いていた夢が、どんどんと大きくなって行くのを感じると思います。 それは、今までの生活を続けていたら、決して感じる事の出来なかった心情です。

 例え功を奏しなっかたとも、1度の人生、愉快な夢に向かって努力してみた時代が、ほんの少しでもあった方が良いとは思いませんか?


 ここで、夢破れた時、決定的な違いが現れます。

「 やってみたがダメだった。 ま、仕方ないじゃないか。 結構、面白かったし 」

 楽天的・楽観的な思考が先立つ『 アホ 』には、有意義だった事項のみが優先されます。 言わば、あとくされが無い。


 優等生の場合、後悔の念が残ります。 悪事の余殃が如く、運命的な解釈論すら持ち出し、人生の機微を憂えるような悲劇的な心境に陥ります。

 時には、鬱にも・・・


 だからこそ、お奨めしたいのです。

 『 アホ 』になれ。

 純粋な気持ちを、真摯に全うせよ。


「 アホには、出来る! 」


 結果を恐れず、まず、夢を見よ。

 ある程度の筋書きが立ったら、夢の遂行に向け、努力あるのみ。

 努力こそが、成功への道である。


 カン違いしないで下さいね?

 夢は、実現させるモノではありません・・・

 『 見る 』為に、あるのです。

 結果なんぞ、どうでもよろしい。 とにかく、夢を見て下さい。

 現状の情報なんて、単なる『 参考 』。

 『 アホ 』に、物事の吟味など到底、出来るワケがありません。 出来ないのに、やろうとするから挫折するのです。 元々、キャパシティーが乏しいのだから、自分の器以上の解決力を、欲張って抱え込まない事です。

 『 アホ 』は、アホらしく、堂々と我が道を行きましょう。


 ある意味、無駄だと知りつつも、「 これしか、俺には出来ないんだ 」と継続して頑張る・・・

 実は、この努力が出来るのは、『 アホ 』以外、この世にはいません。 無駄と分かっているなら、普通は、他の手段を推考しますからね。


 やがて、その努力に『 想定外 』の事が起こる・・・


「 ちょ・・ おいっ、そんな都合よくいくか! 」

 まあ、多数の人が、そう言うでしょうね。


 ・・・それは『 優等生 』の考えです。


 そんな考えが心理的に・・ 常に、心の深層に存在するから、今の1歩が踏み出せないのです。

 更に言えば、『 アホ 』は後退しない。 前進あるのみです。 だって、後退の仕方を知らないのだから・・・


 がむしゃらにやったお陰で、人生の大成功を収める・・・


 そう、『 アホ 』には、成功者が多い。

 普通のヒトではありません。 ちょっと『 変った人 』。 いわゆる、世間一般で言う『 アホ 』なヒト・・・

 少々、常識から逸脱したヒトに、成功者は多い。


 これが、『 アホ 』の可能性です。

 究極の未来です。


 まれに『 優等生 』で、大成功を収める者がいます。 だが、それは一握りの『 選ばれた者 』だけ。 生まれながらにして裕福であったり、親が芸術家・政治家であったり・・・


 私が問い掛けているのは、大衆の中に生きている人たちです。

 何も評価されず、誰からもバックアップされず・・・

 ただ、己の感性1つ。


 痛快じゃないですか。

 何ものにも縛られず、己の道を行った結果が、大成功だなんて・・・


 ・・まあ、お判りでしょうが、全ての『 アホ 』が成功を収めるとは、全然、言っていませんからね? 悪しからず・・・

 失敗した時も後悔せず、来る明日に、純粋な希望を託す『 アホ 』。

 『 アホ 』には、悪いヤツはいない。

 人を騙す画策を、巡らせるキャパすら無いのだから・・・


 さあ、アナタも『 アホ 』になってみよう!


 次回、『 アホになる為には 』をお送り致します。

 ・・別に、なりたくないって?

 まあ、それは個人の自由ですが・・・


 ご清聴、ありがとうございました。

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