第2話 縛り地蔵尊

 この散歩道は、東北大学と東北学院大学のキャンバスの境のあたり、「鹿の子清水」という坂を下った先の、米ケ袋「縛り地蔵尊」から始まります。


 縛り地蔵、そう、ここのお地蔵様は名前の通り、胴体を縄でグルグル巻きに縛られて、祠に祀られているのです。


「何か悪いことでもしたのでしょうか?」


 案内によると、

 江戸時代前期の伊達家のお家騒動の折に、正義のために米ケ袋の刑場で非業の死を遂げた「伊東七十郎重孝」さんという武士がいて、その方の供養の為に建てられたと伝えられており、

『人間のあらゆる苦しみ悩みを取り除いてくれる』と信じられ、願掛けで縄で縛る習わしなのだそうです。


 今ひとつ、供養と御利益の関係が分かりませんが、願掛けとして縛っているのですね。

 この縄は一年に一度の縁日で解かれるそうです。


 私も右半身がおかしくなって、散歩でここを通る度に、深く拝んでいるのですが、

 お年を召した方が、薄暗くなった晩に、荷物を後ろに置いて、熱心に手を合わせている姿を見かける事があります。


 ここから川を見て、左手の下流側には運動公園の広場が、遠く愛宕大橋を背にして川の両側に広がり、もう一方の上流側へは、河原へのスロープを経て、細い散歩道が始まります。


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