第3話女郎蜘蛛の男
文士稼業も楽ではない。あのお方に見初められて早七年、今際の際を看取った折りにこの筆を託すと仰せられて、筆塚に埋め損なった筆だけが私の形見となりました。四宝といえば筆に硯、墨に紙と申しますが、もっとも大切な硯は奴が貰い受けましたから、私は筆を小箱にしまって、筆の進みが遅い合間に箱を開けては形見の筆を眺めるのでありました。奴といいますのはあのお方に取り入って、もっとも寵愛を受けた
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