28.Memora

『体が動かない』

わたしはこの状況をどう打破できるかを考えた。わたしは、周りを見回しながら、体が動かない原因を突き止めようとした。視界はだんだんとうす暗く、白く光る戦場からなにやら声にならないざわめきが聞こえてくる。


「きっと何かが体を制約しているのかもしれない」と思いながら、わたしは意識を集中させる。心の中で、能力を使って身体を動かす方法を探る。


物体を呪文で動かす呪文を使えば、体が動かなくても物体を操作して自由に行動できるかもしれない。


わたしは息を吸い込み、呪文を繰り出そうとした。


『声が出ない』

必死に言葉を出そうとしてるのに、声にならない息が漏れるだけだった。


だんだんと体がさらに硬直してくる。苦しい。

体を浮かべれば、ダメだ。声が出ない。呪文が使えない。


目の前を白い光が包んだ。

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