大好きな彼氏

前田渉

第1話 ファースト・キス!

スクールバスに乗ってる。大学は最寄駅から少し遠い。だから幾つかの駅までスクールバスがある。

大学から八王子駅までのスクールバスに乗ってた。後ろの男女六人がとにかく煩い。

後ろを振り向いたら男の中に知ってる奴がいた。高校の同級生。サークルの飲み会に行くようだ。

サークル仲間の男女同じ数だから合コンみたいな感じなのかと思った。


僕の名前の悟。同級生は秀吉。高校の時もそれなりに話す関係だった。僕は体育会系のテニス部。秀吉はパンパサークル。接点はなかった。秀吉は商学部。僕は経済学部だった。秀吉がよかったら悟の一緒に飲みに行かないかって誘ってきた。正直、全く乗り気じゃかなった。女の子が三人。三人共に経済学部で一緒の授業を受けてることもあった顔見知り。面倒になるのは嫌だったから断った。すると、女の子二人から猛烈なお誘いがあった。仕方ないから一次会だけ行くことにして合流した。一軒目は居酒屋で二軒目はカラオケらしい。まあ、居酒屋だけ行くことに決めてた。割とおしゃべりだからゲスト参加だけで自分中心な飲み会になった。男の浮気とか二股とかの話しになったので、僕が絶対に女の子は泣かせない。泣かせたら責任を取ると言ったら、猛烈に誘わなかった女の子が隣で「ニャンニャン」とか「パオーン」とか言ってる。可愛い子だけと頭が弱いって思った。近寄らないようにしようと思ったら、いきなり真顔で責任を取ってとか訳の分からないことを言い出した。悟君が私を泣かせた。責任を取って!責任?彼女にして!そう譲らなかった。その場は適当に誤魔化して退散した。次の日の帰りのスクールバス。偶然にも同じ面子。秀吉が話しかけてきた。彼女が出来たらしいなって聞いてきた。僕はああって答えた。こういう話しは早い。昼に学食で告白された女の子と取り合えずつき合うことにしただけだ。それを聞いた女の子がバスの中で泣き出した。酷い。私っていう彼女がいるのに二股とか信じられない。そう泣いてる。彼女の名前はつかさ。つかさとつき合った覚えはない。まさか昨日の居酒屋の話しとかか?そう思ったけど無視してた。女友達の二人が詰め寄ってきた。入学式で俺を見てからずっと好きだった。昨日から彼女になれたって幸せな気分にしておいていきなり浮気!許さないとか言ってる。面倒だからきちんと言った方がいいと思ったから言ってやった。つかさとつき合う約束をした覚えはない。それに女は泣かせないと言ったが俺はワガママ。滅茶苦茶ワガママだからな。やめた方がいいと言った。それでもつかさは引き下がらなかった。俺はむかついたから、じゃキスしなと言ったらしてきた。それもファースト・キスだったらしい。悪ふざけしてオッパイ触れせろと言った。彼女はいいよって、なにしてもいいって言ってる。分かった。そこまで言うなら昼間の女の子は断る。今から俺の彼女がつかさなって言った。この時の涙に濡れた彼女の笑顔を僕は絶対に忘れない。


~ 続く ~

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大好きな彼氏 前田渉 @wataru1610

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