第4話 ベッカー達の過去[後編]

繭[柿斗は、リビングに戻るとお父さんとお母さんは、血を流して倒れていてらしい、その時のかっちゃんの記憶が正しければだけど………]


信じられないような親の状態にどうすればいいのかもわからない

柿斗「お父様、しっかりしてください。」

父は、柿斗の腕を掴んだ。

父「柿……と…………お前…だけで………………も………逃げ……………ろ。」

柿斗「えっ、でもお父様は?」

父「い…い……から………………お…前……………だ………け……………は……………………い………き………………ろ。」

父の状態は、酷くなるばかりだ。

柿斗「そんな……の………どう……やって。」

柿斗は、恐怖心に襲われていた。


トントン (ドアを叩く音)

爺「失礼します、旦那様今のじゅ……。」

柿斗「爺〜」

柿斗は、爺に泣きながら飛びついた。

柿斗「爺〜お父様とお母様が〜。」

爺「落ち着いてください。柿斗様ともかくこの屋敷から逃げてください。」

爺は冷静に答えた。

柿斗「でも、お父様とお母様は?」

爺「大丈夫です、旦那様も奥様も、私がどうにかします。ですから、先に柿斗様だけでも避難してください。」

柿斗は、固まっていた。

爺「早く」

爺は怒鳴った。

柿斗は、泣きながらも全力で走った。

靴を履かずに屋敷を出た数秒後


ドカーン


柿斗は、追い風で転んだ


柿斗は、後ろを振り返ると屋敷は燃えていた。

柿斗「爺ーー。」

柿斗は、渾身の大声で叫んだ。

柿斗「……………………僕は…………………………何も出来なかった。」

柿斗は、泣きじゃくった。

しばらくの間、柿斗は地面に倒れていた。




??「……様………い様……お兄様。」

柿斗「亜 紀 斗?」

気がつくと柿斗の近くに亜紀斗がいた。

樋田「柿斗様ご無事ですか?」

柿斗「樋 田 さ ん も。」

樋田は、亜紀斗に使える執事だ。亜紀斗がまだ幼い頃、父と母が忙しい時に面倒を見ていた。今では、亜紀斗に父と母よりも好かれていた。

柿斗「大 丈 夫 です。」

柿斗は気を失った。

樋田「柿斗様、柿斗様。」

樋田は脈を確認した。

樋田「気を失っただけ?」

亜紀斗「樋田、お家は?」

亜紀斗達が着いた頃には屋敷は跡形も無くなっていた。

樋田「これはいったい?」

亜紀斗「ねぇ樋田、お家は?」

亜紀斗はまた、問いかけた。

樋田「亜紀斗様、私も分かりません。とりあえずお兄様を運びますので一緒いきましょう。」

亜紀斗「はーい。」

樋田は柿斗を抱え車に運んだ。

車を出し樋田は、電話をかけた。


トルゥゥゥル トルゥゥ ピッ


??「はい、もしもし。」

樋田「あっ、岡村か?今、繭様もいる?」

岡村「えっ、いるけど……どうしたましたか?」

今、樋田と話しているのは 岡村 一夫(おかむら かずお)樋田の大学の三つ下、繭の彼氏で医学部通っている。

樋田「訳は後で話、今何処にいる?」

岡村「えっ、普通に家にいるけど。」

樋田「今から向かうぞ。」

岡村「えっ、お、おう。」

ピッ (電話を切る音)

繭「どうしたの?」

岡村「さぁ、今から樋田が来るって、」

繭「えっ?どうして?」

岡村「わからない。」

数分後 岡村の家に樋田達が着いた。

樋田は、亜紀斗を下ろし、柿斗を抱え岡村の家を上がった。岡村の家は、何処にでもありそうな一軒家だった。

岡村「どうしました、柿斗くんも、亜紀斗くんも。」

樋田「俺も、まだあやふやだが、屋敷の方向で煙が上がってから、亜紀斗様のPC塾を早めに切り上げて屋敷に戻ったら柿斗様が倒れていて屋敷が跡形もなくなっていたから、とりあえず来た。」

繭「えっ、じゃあお父さんとお母さんは?」

樋田「分かりません。」

繭「そんな。」

繭は、泣き崩れた。

岡村「とりあえず、柿斗くんは大丈夫なのか?倒れてたんだろ。」

岡村は冷静に答えた。

樋田「一応、意識はあるからとりあえず寝かせてあげたい。」

岡村「わかった。」

樋田は、柿斗をソファに乗せた。


トゥルルルル トゥルルルル ガチャ

電話「おかけになった。携帯は電源を…。」

ピッ

繭「だめだ、電話は、でない。」

樋田「そうですか………。」

柿斗「…………ん?」

柿斗は目を覚ました。

亜紀斗「みなさん、お兄様が起きましたよ。」

繭「えっ?」

三人は、柿斗が寝ているソファに向かった。

柿斗「………みなさん、運んでくれたんですね。」

岡村「柿斗くん。具合悪くない?」

柿斗「……はい、大丈夫ですよ。」

繭「かっちゃん。いったい何があったの?」

柿斗「………。」

柿斗は、自分に起こったことをすべて話した。三人は、顔が青ざめた。

繭「……そんな…………嘘……。」

繭は目は、涙であふれていた。

柿斗「樋田さん、これからどうするの?ここに居たら大変だよ。」

柿斗は、樋田を気にかけた。

樋田「そんなこと、気にしないでください。もう主は、柿斗様ですよ。」

柿斗「ありがとうございます。とりあえず亜紀斗様の面倒を見てもらっていいですか?」

樋田「かしこまりました。」

樋田は少し微笑んだ。

岡村「柿斗くん。とりあえずうちで暮らしなよ。大変でしょ。」

柿斗「では、喜んで。」

繭「はぁ、泣いてばっかいられないね。私働くよ、まぁ簡単なことでは、ないけど。」

繭は、立ち直った。

柿斗「お姉様、いいんですか?」

繭「えぇ、頑張るよ。」

岡村「なら繭、探偵事務所を開いたらどう?

お前頭切れるから向いてるじゃない?」

繭「あっ、それいいかもね。」

柿斗「みなさん…ありがとうございます。」

繭[そして、始まったのだ。柿斗の計画が]

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怪盗ベッカー  @Kuromu121

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