第26話 組む

 ランニング終了!

 

部室に帰ると、また会議していた。

「お帰りなさい。」

「お帰り〜。」

 皆が口々に迎えてくれる。

「今後のスケジュールを相談していました。」

 こちらに向かい。続けて

「皆さん、また考えておいてくださいね。」

 部長さんが説明してくれた。ちょっと仲間外れ感出てたかな?

「今日からは、パンツァー・イェーガー最大の醍醐味に入ります。」

 えっ、なんだろう…。ちょっと、ドキドキ。

「対人戦とチーム戦です。」

 あっ、そう言えば今までの相手はAIばかりだった。

「どうせだから、二つ共、一緒にやってみましょう。」

 会議していた部員の方を向き、

「今日は、日向さんと同じリョウサン限定で。」

「えっ…。」

「うっ…。」

 副部長さんと小南先輩が漏らした。百地先輩は表情を変えないまま斜め下向いた。

「苦手なのは解っています。それに、苦手をカバーするぐらい得意を伸ばした方が良い事も。」

 ためて、

「ですが、それは一定の条件下のみです。パンツァー・イェーガーにおいては全てができるに越した事はありません。」

 更に、

「苦手状況を上手く対応する、それもチーム戦では大切です。」

 部長さんが珍しく、ちょっと強目の口調だ。

「常に上を目指す! 今日よりも、明日は強くなる。そうでなくては駄目です。」

 そう言えば、部長さんの噂を実宏が言ってたな…。

「チーム分けは2on2のランダム。武士の情けで、武装は自由にしましょうか。後、機体のカスタマイズは無しで。」

 小南先輩が素早く近くのタブレット端末を操作した。

「えっ。リョウサンってこんなに索敵範囲狭いの! あちゃー。」

「やりますよ。」

 部長さんが、にこやかにプレッシャーをかけた。



 チーム戦は、開始までのプロセスが違った。


 先ず、チーム分けが決められる。今回は副部長さんと同じチームだ。

 次に、戦場となるマップの決定。森と平原みたいだ。

 で、機体と武装の決定。

 私はいつもの【リョウサン】にいつもの武装セットを選ぶ。そう言えば、少しの間違う機体に武装使っていたからいつものじゃないな…。


 えっと、チームの機体と武装は表示が出るのか…。

 やっぱり、副部長さんはガトリングとかミサイルいっぱいだ…。殺意高い……。

ん? 副部長さんはこの前お薦めで使った感じ…。だとすると、他の二人も、同じ様にパターンかな?

「準備OKなら、スタートします。」

 美星先輩の声がかかる。


 モニターがハンガーデッキに変わり、左隅の小窓に副部長んが映つり、

「よろしく、お願いしますね。」

「よろしく、お願いします。」

 反射的に返答していた。

「初めての対人戦とチーム戦ですから、やりたいようにやってください。私がフォローします。」

「判りました。」


 対人戦にチーム戦は、全く未知だ。

「上げます。尚、セットアップ位置はランダムになります。」

 美星先輩のアナウンスと共に、初めての対人戦、チーム戦が始まった。

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