第15話 深夜の姉弟 女子校あるある

沙和宅リビングにて、深夜。


沙和弟・悠人「姉貴さー、女子校ってどんな感じだった?」


沙和「はっ?何だよ突然。


うーん…、まぁ、のびのび過ごせたし、楽しかった、かなー。」


悠人「そっかー、やっぱ楽しかったんだー…

そうだよなー、女子しかいねぇんだもんなー、そりゃ楽しいよなー、良いなー…」


沙和「いやいや、私自身も女子なんだし、別に女子ばっかでウシシ、やったぜー!とはならないよ…」


悠人「お姉さま♡とか言ったりすんの?」


沙和「言わねーよ。

あ…でも、先生や先輩への挨拶は、『ごきげんよう』って決まってた。」


悠人「ごきげんよう!!!ごきげんよう…!」

雷に打たれたような衝撃を受ける弟。


沙和「私もさぁ、入学当時は、

『えー、マジで言うの?やだなぁー』って思ってたんだけど、慣れれば普通に言えちゃうもんだね。」


悠人「ごきげんよう…ごきげんよう、お姉さま…」

妄想の世界に飛んでる弟。


沙和「だからお姉さまは言わねーっての。

ごきげんよう以外は普通だよ。

みんななぜか一人称は『ウチ』だった。」


悠人「関西人かよ…。」


沙和「語尾は『○○じゃん』だけど。」


悠人「何じゃそりゃ…関西人かハマッ子かはっきりしろ。」


沙和「異性の目が無いからかなぁ、みんな超本能のまま生きてる感じだったよ。


笑い声は基本、手叩きながら『ガハハハ!』だし、フツーに大股開いて座ってるし…


なんか突然『あー、ウンコしてぇー!』とか絶叫する子がいたりして、

それ聞いてうちら『ガハハハ!』みたいな。」


悠人「…ガハハハ、ウンコ…ごきげんよう…!」


沙和「あと、みんなマンガばっかいつも読んでたなー。

しかも少女マンガじゃなくて、ゴリゴリの少年マンガ、バトル漫画。

BLもすごい流行ってたし…

あっ、私は読んでないけどね!?(焦)」


悠人「…(疑いの目。)」


沙和「中3の時は、ベルセルクとか北斗の拳とかが大流行して、みんなで回し読みしてた。

そんで休み時間に北斗の拳ごっこをしてた。

私ラオウの役だったよ。

あーあと、九字切りも異様に流行ったから、頑張って覚えたなぁ。

私未だに出来るよ。臨、兵、闘、者…」


悠人「カオスだな、教室内…

つうか、丸っきり男子じゃねーか!」


沙和「丸っきり男子だよ。

授業中もすっごいうるさくて、注意されても逆に先生イジリ倒したりして…英語の先生(男)がとうとう号泣しちゃったこともあったなぁ。」


悠人「…嘘だ!

俺の憧れの花園が、そんな掃き溜めのような場所であってたまるか!

お前が通ってたの、本当は男子校だったんだろ!」


沙和「うーん、今思えばそうだったのかもねー。

いやでも、そんなもんなんだって、現実は。

女子校なんて、どっちかって言うと共学よりもさぁ、男子校に近いよ。」


悠人「なっ、バッ…

あんなもんと一緒にすんな!

そんなこと言ったらなぁ、男子校なんて、どっちかって言うと動物園に近いぞ!!」

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