第4話 鉄朗はダメージを負った!

鉄朗(なんてこった…!

ワンピースへの攻撃と見せかけて、俺への直接攻撃じゃねぇか…!

人として浅いとか、男にとって大ダメージな表現だ…!)

「何だよエラソーに…!

そんなの、完全にお前の偏見じゃねーかよ…

何でそこまで言われなきゃなんねーんだ…!」


沙和「うん、ごめん、私の偏見だっていうのは分かってる…

でも一応…、何で私がワンピース全巻+フィギュアを見て部屋を飛び出して行ったのか、っていう話だったじゃない?

だから、出来る限り正直に、答えたつもりだったんだけど…」


鉄朗(くっ…、確かに沙和の言う通りだ!けどよ…けど、正直に答え過ぎだろうがコノヤロー!)

「…まぁ、とりあえず…

じゃあその…ワンピースの、何が一体浅いって言うんだ?」


沙和「!ワンピースが浅いんじゃないの!

ワンピースに熱狂する、成人男性が…」


鉄朗「!わ、わかった!みなまで言うな。その、具体的に…、どういう部分がアレなんだ?」


沙和「具体的に、かぁ…うーん、

難しいんだけど…

私ね、少年マンガにおいて、そんなに感動って重要な要素だと思ってないのね。

たまにはあれば十分かな、くらい。

例えば、ドラゴンボールとかも、そんなに感動シーンってしょっちゅうは無いじゃない?」


鉄朗「うーん、まぁそうだったかな…」


沙和「でも、ワンピースはわりとちょくちょく、感動シーンを挟んでくるよね。

私的にはちょっと多いなって。

無くても元のストーリーだけで楽しめるっていうか…

冒険シーンとバトルシーンと和やかシーンとギャグシーンと…それだけで十分面白いけどなーって思う。」


鉄朗「えー、感動シーンあった方が

盛り上がるじゃんかよー」


沙和「なんかワンピースの感動シーンって大体、キャラの壮絶な過去とか、大切な人を無惨に奪われた体験とかを、事細かに描写した上で…

はい、そんな過去があっての今この戦い、ドン!盛り上げてドン!

勝ってドン!はい感動!

みたいな感じじゃない?」


鉄朗「おいおい!何つう雑なまとめ方すんだよ…悪意があるだろ…

いやでも、感動シーンって大体そんなもんなんじゃね?」


沙和「うーん…あ、あと感動シーンでキャラの号泣が多いかな…?

キャラの方に先に泣かれちゃうと、なんかこっちが泣くタイミング失わない?

この映画絶対感動するよ泣くよー、ってゴリ押しされた映画って、かえって泣けなかったりするじゃない?」


鉄朗「ああ、まぁそういうことはあるな…」


沙和「だから、それですごい感動してる成人男性を見ると、やっぱりちょっと、人として…」


鉄朗「!だから言うなって!!」

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