第3話 何が問題?

-LINE-

鉄朗『この前のアレ、何だったの?

俺、考えてみてもサッパリわかんないんだけど…

とりあえずまた、今週末会えない?』


沙和『突然怒って帰っちゃって、ごめんなさい。

分かりました、じゃあ今週末…』



週末、カフェにて。


鉄朗「それで結局…どういうことなの?

とりあえず俺の部屋に、ワンピースがあったことが、問題なんだな?」


沙和「うん…、ワンピース全巻と、主要キャラのフィギュア一式…」


鉄朗「…ああ、そうだな。

それの何が問題なんだ?」


沙和「問題、っていうんじゃないんだけど…」


鉄朗「はっきり言ってくれよ!

俺全然わかんないし…

今日はそれが知りたくて会ったんだから!」


沙和「うーん…なんか…

上手く言えないんだけど、ワンピースに熱狂してる男の人って…


ある日突然『海賊王※に俺はなる!』とか宣言して、飛び出して行っちゃいそうな、フワフワして危ない感じがするというか…

(※海賊王、またはお笑い芸人、役者、ユーチューバーなどなど)」


鉄朗「はぁ?何だよそれ?

俺そんなの、一度も言ったことねえし!」


沙和「うん、ごめん、まぁ勝手なイメージなんだけど」


鉄朗「何だよそれ…

大体お前、ワンピース読んだことあんのかよ?」


沙和「あるわ。弟が昔好きだったから。

アニメも一緒に観てたし、マンガも弟のを借りて読んで、空島…のあたりくらいまで読んだかな」


鉄朗「お、おう…(意外と読んでやがった)

で、沙和はじゃあ、ワンピースが嫌いってことなのか?」


沙和「違うわ、嫌いじゃない。

笑いあり、涙あり…、

基本的に明るいトーンで進むし、色んな島を冒険する様子も楽しいし、バトルシーンも斬新でワクワクするし、仲間のことをすごく大事にしてるし…、

それでいて小さい子に有害な表現もあまり無い、夢にあふれたとても良質な作品だと思っているわ。」


鉄朗「お、おう…ベタ褒めじゃねぇかよ…

じゃあ結局、何が…」


沙和「でも、でもね!

それはあくまで、青少年達の読み物としての話なの!

だからね、ワンピースを読んですごい感動したり、熱狂してる成人男性を見ると…

なんか、幼い感じが…

人として浅いんじゃないかな、って思っちゃって」


鉄朗「ぐはぁ!!」




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