犬の気分
@az___
糸の話
河川敷に犬がいたそれを見て肉まんを食べた
ああ、まただ、逃げ込んだ先が、穴のない、洞穴
常同行動は、紫の雫にも似た糸だ
実際には誰でもない、訪れるのは沈黙
ひとしきり泣いた後、濡れたシーツに謝る
明日こそはと願いながらも、人生は長い
切っ先まで磨かれたパイプオルガンから流れ出る鼻血
もう二度と、もう二度と、と繰り言が漏れる小部屋
犬の鳴き声にも満たない、枯れ果てた喉仏
起き上がり、また眠る、目をあけて、また眠る
繰り返される日々は、紫の雫にも似た糸だ
実際には何でもない、流れ出るのは緊張
水音が興奮したのは明日の天気予報が外れたとき
見違えたように、見える雫は、まぶたにも満たない
たどる、たどる、きらい、すき、うちやぶれた未来
ひとときの興奮は旅先にさえ嫌われる
犬の気分 @az___
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。犬の気分の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます