人生というゲーム

雨宮雫

第1話

目が醒める。いつもの部屋だ。

あたりは暗く静かだ。

微かにエアコンの音が聞こえる。

強力な遮光性のあるカーテンをぴっちりと閉めているため昼でも明かりはほとんど入ってこない。しかしカーテンの隙間から漏れる光により辛うじて今が昼であることが分かる。

「また死んだのか」

少女はその見た目に似合わない口調で、そう言った。

雑然とした部屋の中に、見たこともないような機械がある。

機械の先端のケーブルが、ヘルメット状の装置と繋がり、彼女がそれを被ってベッドに寝ている。

彼女はヘルメットを取り、周囲を見渡して手元にあったリモコンのような装置を操作する。そして、その操作に呼応するように部屋のカーテンが全て開き、部屋が大きく振動を始め、同時に窓の外の景色が動き出した。どうやら道路を走っているようだ。

「やば、もうこんな時間」

彼女はそう言うと可愛いパジャマを脱ぎ捨てる。パジャマの下には何も着ていないが、恥じらうことなく、淡々とブレザーの制服に着替える。年齢はおそらく高校生くらいだろう。発育はいい方では無く、痩せすぎと言っても大げさでは無いような体型だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人生というゲーム 雨宮雫 @shizuama

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る