第5話 無限飛翔編 「俺は、俺たちの現実を生きたいから」
空中にて「彼」の姿が一瞬にしてぶれる。
Claudは迷わず真縦に必殺の一撃を放った!
ギィィィィン‼︎
彼は左に吹き飛び、飛べるはずもない片翼で舞い柔らかに空中にて静止する。
Claudは碧き風に導かれ、彼にそのまま肉薄する!
「全てを断ち切る!」
Claudの必殺技のバリエーション版だ!
四方からバスターソードの勢いと共に斬烈突撃した後、態勢の崩れた相手に上方から闘気を最大限に込めた一撃を放ち、対角線上に四方から放たれた為に作用が作用により閉じ込められた斬烈エネルギーの行き場が相手の身体になる様に爆発させる恐るべき技だ!
そのまま四方から斬烈が放たれ爆発四散ー
「ぐうっ…!」
何故? 地面に激突したのはClaudである!
確かに四方からの斬烈は相手に受け流されたとはいえ決まり、これで本来相手は動く事さえ出来なくなる筈なのだが、
真に恐るべきは片翼の天使。
その程度では全く釘付けにする事など出来ず、Claudの渾身の一撃は真下の地面めがけて受け流され、おまけとばかりに「蹴り」を追加しClaudを地面に叩きつけたのである。
「約束の地へ!」
更には受け流しきれないエネルギーと共に真下のClaud目掛けて弾丸落下し、約束の地へと捧げる墓標を増やさんとばかりにマサムネを真下に降りかざす‼︎
Claudはゆっくりと跳ね起き、その勢いのまま左に一回転させたバスターソードをマサムネに叩きつける!
「はぁぁっ‼︎」
Claudは体をずらすも左肩を浅く切り裂かれ、彼は空中で縦に三回転程した後ぞっとするほど柔らかに静止。
そのままClaudから距離を取り始めた。
「仕留める!」
Claudは彼を追いながらも英雄の剣を振り上げた後、振り上げたのとほぼ同じ軌跡で必殺の飛ぶ斬撃を放つ!
彼はその程度意に返す必要も無いと言わんばかりに軽く避け、そのまま懐からいつの間が消し去られたかの様に既に手に持つ黒いマテリアルに力を込める!
「クククク……
彼は黒いマテリアルの真の力を掌握し空の彼方から全てを葬り去るメテオラを呼ぶ事さえ可能としている!
故に、「メテオラもどき」を発動させる事など造作もないのだ‼︎
マテリアルの中にもまた、「メテオラもどき」を発動させる事ができるものが存在しうる。
だが、これは真のメテオラを発動させるためのマテリアルだ!故に、「メテオラもどき」と呼ぶにはあまりにも、それは巨大に過ぎた。
嘆いても遅い…!」
幾多の小メテオラを伴いながらそれは、地の底にて天が堕ちて来た。星の岩盤を使い、放たれる落盤のごとき地盤。このまま人形を跡形も無く砕き潰さんと彼は黒いマテリアルに力を込め続ける!
Claudは眼前の状況と不釣り合いだと言われんばかりに冷静だった。
何故なら、これからどうするべきか。それが分かっている、感じられるからだ。
彼は蒼き英雄の剣を天に掲げ、その力を解き放つ‼︎
「星よ、降り注げ!」
英雄の剣より、更には四方八方から碧き風が巻き起こり、風が触れた大小の岩盤が「持ち下がり」小メテオラ含むメテオラへとぶつかり合い、その方向を変えんとする。
更には巨大メテオラ自体に碧き風が吹きすさび、その方向を…「片翼の天使」の元に変えるというのか!?
「何…ッ⁉︎」
彼は黒いマテリアルにより一層の力を込め、軽く舌打ちした後一瞬の残光と共にそれを砕き裂いた。
「この程度…図に乗るな…! ッ⁉︎」
彼が地を這い迫り来るClaudに気づくのが遅れたのは、幾重もの事実の積み重ねによるものである。
視点が上方へ向いていた事。
激しい音波と呼ぶこともおこがましい爆音が荒れ狂っていた事。
…必殺の技を力をセーブしたとはいえ打たざるを得なかったこと。
Claudはマサムネのガードごと、1.2.3.4.5左回転剣で彼を前方上空へと打ち上げた‼︎
「全てを断つ!」
Claudは今まで尽(ことごと)く技を潰されてはきたが、興味ないとばかりに勝負をかける!
1!
碧い風に乗り飛び上がり、追葬の前方への斬烈突撃!
「彼」のカウンターにより左肩を更に痛めるが、繋がっていれば興味ないね!
2!3!
上方から体ごとの右袈裟切り!返し切り!
4!5!
6!7!
右回りに真円を描く様でいて、確実に球状に近い様に捻れていく軌跡。
だが、その対の軌跡は確かに繋がっている。
8!9!
ガードに使われるマサムネに明確な亀裂!
10!11!マサムネが折れる!
12!13!マサムネが粉々に砕け散る!
14! 初回の突撃と直交する軌跡で下方から「彼」を貫く!
「彼」は最早動かず、動けず天頂に輝ける光を見つめていた。先ほどの一撃で、左手に持つ玩具には最早鍔さえ存在しない。
そして、Claudは天頂より英雄に捧ぐ挽歌を、新たなる英雄達への凱歌を振り下ろした。
「これが全てだ…!!!」
ーーー
「Sep〜s。優しくもあった思い出の中で眠っていてくれ。」
「私は、思い出にはならないさ。なりはしないさ。ククッ…
お前たちの中に私がいる限り。お前たちは、人形なのだから。」
彼は、碧き海に溶けていった。
「なら、俺たちは俺たちの現実を生きる。あんたの勝手な理屈になんか興味ないね。」
ーーー
リザルト
勝利条件 不明
敗北条件 不明
ただの事実
Claudは自分の世界を求め、ひいては自分達の世界を求めた。
彼は、自分の世界を終わらせ、この世界さえも終わらせようとした。
Claudは一人じゃ無く、彼は一人だった。一人でしかないことを選び、それさえも消し飛とばそうとした。
片翼の天使が目の前に現れた場合の対処法 "現れないのが一番いい" ご都合主義者 S @hoprain
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