第3話 飛翔編2 「彼に勝つには何がいるんだ?」



[これまでのあらすじ]

***

長く続いた二人の因縁にも、遂に決着がつく時が来た。

自分の世界を失わせた、この世界をメテオラにより滅ぼし、その跡に自分だけの世界を作ろうとするSep〜s。

自分の世界さえ失いながら、それでも自分のいるこの世界を求めて来たClaud。

果たして、どっちが勝つのか。

それこそを今、決める為に、

今決着がつけられようとしている!


負けないで!Claud!

Sep〜sなんかねじり切っちゃえ! =i○


***





「ぐうっ…!」凄まじいエネルギーの激発の奔流に呻かざるを得ないClaud。彼がタイミングを合わせて左に飛んでいなければ、

バスターソードを吹き飛ばされ、腕ごと戦う力を打ち砕かれる所であった。



「切れ。」周囲に渦巻くエネルギーの奔流と比べるにはあまりにも不自然に静謐で、

だからこそ全てを消し去るハリケーンの中心部の如く。

彼はマサムネの切っ先を、人形であるというのに愚かにも人の振りをしている存在へ向け、二度と動くことのないように壊すべく構えた。









ガギギィィンギンギィィィン!!

123.4.567‼︎最早回数を数える事さえおこがましき閃光が交差する!

何が起きたのか?あなたがファーストクラスソルジャーであるならばかろうじてその交錯を目で捉えることが出来るだろう。




まず、Claudは空中で身を捩り少しでも体制を立て直す!あの技がくる以上、バスターソードを何とか宿敵に向けて構えて。

そして、彼はClaudに回転しながらいっそ穏やかに思えるように突撃。回転している為に何処から初撃が来るかがわからない!

そのまま二回転ほどした後、彼は右下から切り返した!左水平!右上!止まったかの様に思えるものは当事者だけの時間緩やかに「回転静止」した後左下からの痛烈にして静かなる死神の一撃!

Claudはバスターソードの腹を向けて何とか耐え凌ぐ!

左水平!右下!左下!

Claudのバスターソードが弾け飛び始める!



そうして死神の鎌という事すら生温い虚無の8撃目が左上から放たれた。「消え去れ。」












時間が静止した様に思われた後、動いたことさえ認識できない瞬間。

Claudは後方に弾け飛んだ。そのまま星内部の岩盤に弾丸ミサイルの如く激突‼︎

「ぐ…はッ…!」


彼はその代償として絶望の斬撃を全て受け切ったかに思えた。

だが、彼の五体を見よ!左肩に鋭い傷、右肩の肩当ては切断!下腹部の装束に二つの小さな傷、右大腿には薄いが鋭い線が。受けきれた事自体が奇跡的であったのだ!














「時は満ちた…。 今こそ、約束の地へ……。


彼はそこには彼以外存在しないかの様に虚空へと謳うように紡ぐ。


絶望に変えよう…



彼の五体全てから今までの不気味な静けさが全て嘘であるかの様な苛烈にして激しい力の本流が巻き起こる!!


彼はいつの間が存在していたのかが怪しい程に、マサムネを左手で持っており、

そのまま彼が好んで行う神速の八連撃をいつでも行える態勢とは明確に違う、「マサムネの切っ先を左下に向け、身を腕ごと右によじっている、左足を前に、右足を後ろに向けた態勢」を行った。


マサムネを主に左腕で持つ格好であるにも関わらず、だ。




……全てに滅びを…!」



















その後、「一瞬」であった。一瞬であったのだ。




一瞬にして全てが滅ぶ、滅ばせることを暗示するかの様に、空間に亀裂が、いや、空間が裂けた。そうとしか呼べない事態が起きた。




















そうして、この小さな世界は紅き亡びの光に包まれた。

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