第23話 0053/0000/0110/0004
そこは、草原の階層だった。
「何これ、凄いね!」
イヴがはしゃいでいる。
「敵強いから、離れないで。俺にくっついておいて。他の仲間に倒して貰おう」
「あ・・・そうだよね、危ないよね」
気付き、イヴが近寄ってくる。
おず・・・と見上げてくるので、抱き寄せ、庇うように腕を回す。
こてん、と顔を埋めてくる。
く・・・可愛いなあ。
ふと、ケンタウロスが目に入る。
ここはケンタウロスが敵か。
シュッ
銀の弓で矢を放ち、遠く離れたケンタウロスを射貫く。
「凄く遠くまで届くね、凄い・・・って、レベルが凄い事に?!」
イヴのステータスのレベルが、壊れたメーターの様にギュルギュル上がっていく。
「パーティーを組んでるからね」
「パーティー?何かの能力かなあ?」
きょとんとするイヴ。
イヴが知らないと言う事は・・・ひょっとして、これって固有スキルのせい?
少し歩くと、川があった。
「ここで、飲料水を汲めると思う。食料庫に送る?」
俺が問いかけると、
「うん、送ろう!」
イヴが川に近寄り、食料搬入口に水を吸い込む・・・一定量毎にIM消費してるけど、誤差か。さっき倒したケンタウロスだけでも、比較にならない程少しだ。
ふと、魚がイヴに近寄っていくのが見えた。
ザシュ
俺の放った剣の一刺しが、魚を貫く。
雑魚モンスターだが、イヴには脅威だ。
「ひゃ?!」
可愛い声を上げてバランスを崩すイヴ、そっと抱き留める。
「大丈夫?」
「あ・・・うん、有難う」
またきゅっと抱きついてくる。
どうしよう、可愛い。
イヴが水を回収する間、適当に魚を獲っていく。
普通の魚も、魔物も。
「出来れば森のフィールドが良かったけど。とりあえずイヴのレベルを上げようか」
「そ、そうですね・・・このままじゃ即死しちゃう」
川から上がってくるイヴ。
じっとこっち見て、ちょこん、と抱きついて来る。
上目遣いに見つつ、
「寒い」
と言う。
まあ、川の中入ってたしね。
焚き火でもするか。
リヴィアとルナに、木切れや草を集めて来て貰うように、思念を飛ばす。
ルナは直ぐに反応したが、リヴィアの反応がない。
あれ?
再度思念を送ると、リヴィアも集めに向かった。
思念による指示は、確率で失敗するようだ。
焚き火を起こし、魚を焼く。
塩で味付けもする。
「・・・美味しい!食事をしたのは生きていた当時以来だよ!最期の方はかなり記憶が曖昧なんだけど」
イヴに好評なようだ。
リヴィアとルナも、もくもくと食べている。
ご飯の後は、狩り。
索敵し、乱獲する。
「そろそろ戻ろう?」
イヴの提案に賛成し、ゲートを呼び出してダンジョンの外に出た。
便利だなあ。
ゴミ処理や、職業の付け替えを終わらせる。
ゴミドロップを全部持ち帰れるので、IM効率はかなり上がった。
食品倉庫も覗いたが、川の水や魚、獣が備蓄されている。
森のフィールド行きたいなあ。
とりあえず、しばらくは食材集めと、下級職マスター、そしてイヴのレベリングだ。
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IM:約710億→約710億
その他:
可愛い。
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