第21話 0053/0000/0110/0002

「ここって何もないの?」


イヴが尋ねる。


「うん、そうみたいだね。食料を得たりしようとすると、ダンジョンの中に入る必要があって」


イヴがコンソールを触る。


「なんかカスタマイズとか言うのがあるけどやっていい?」


何?!


「あと、このポイントって何?」


「・・・分からないけど、全滅するとそれを消費して復活するみたい。後は色々な物と交換したり、職業を設定したり。敵を倒したり、ドロップ品をそのコンソールから棄てると、ポイントが増える」


「んー・・・となると、情報が結晶化して見えてるのかな・・・多分、このコンソール自体、ショーイチの能力何だと思う。アビスから情報を奪っているのかな。普通は一方的に奪われて最後は消えちゃうんだけど・・・」


うんうん、と考えるイヴ。


「私達が今吸い込まれていないのも、多分、ショーイチの能力だね。私に対して、ショーイチから強い束縛の力を感じる」


「俺の固有スキル、じばくスキルだけど・・・色々な物と繋がるスキルなのかな・・・?」


「聞いた事ないね。多分そうだと思うよ!」


イヴが、コンソールを操作していく。


「ねー、食料貯蔵庫、とか、食料搬入口、とか、交換していい?2,000,000ポイントらしい」


「2,000,000ポイントくらいなら好きにしていいよ」


ポイントも増えたなあ。


イヴが次々と交換していく。

何か大きな倉庫っぽいのが出来た。

その隣に建物、宿舎?

その隣にキッチンが出来た。

あれは温泉?

と言うか、数メートルしかなかった周囲の空間が拡張している気がする。


・・・俺の2,000,000ポイントくらいなら好きにしていいよ、は、その2個だけのつもりだったのだけど、今更言えない。

まあ、こっちでもポイントは見えているし、まだまだ余裕有るから良いのだけど。


「ねー、1,000,000,000で固有スキルっていうのがあるけど、これも取っていい?ゲートってのがあるんだけど」


「何?!」


ゲートって、まさかダンジョン脱出・・・


「交換したよー」


俺のスキルに、アビススキル、というのが増えている。

それをタップすると、ゲート、と言うのが出てきた。


ゲート[1,000 IM]

 一定のIMを支払う事で、下界に戻るゲートを呼び出す。

 次回は、脱出し階層から挑戦出来る。

 同じ階層で何度も出入りすると、必要IMが上がる。

 脱出した階層からの再開、を選ばなかった場合か、

 次の階層に進んだ場合、必要IMがリセットされる。


・・・今までの苦労は一体。


「・・・経験値アップもあったりする?」


「それはないねー」


面白がって色々探しているイヴ。


「あー、でも、経験値やレアアイテム出現率はいじれるみたいだね。その分敵も強くなるからどうなんだろー」


「レアアイテム出現率は有り難いかもしれないなあ・・・」


「まあ、ひとまずこんな所かなあ」


イヴがすっと立ち上がると、


「建物色々見よう」


こちらの手を取ってくる。

女の子と手を繋いだ。

柔らかい。


宿舎、は、快適に眠れそうな感じだった。

100 IM払えば、ベッドメイキングや掃除等を一通りやってくれるらしい。


食料庫は、今は空だ。

水を溜めておく貯水槽もある。

外から見た物より中の方が相当広い。

中に入れた食材のみ、時間が止まる仕組みらしい。

尚、ダンジョン内に持って行ける食料搬入口に入れた物が、ここに整理されて入るらしい。


キッチンは、多種多様な調理が出来る施設が揃っているようだ。


温泉。

男湯と女湯に別れている。

分けなくても良いのに。


「変な事考えてない?」


イヴが半眼で聞いてくる。


「いや・・・イヴと一緒に入ろうとは考えてない・・・よ・・・?」


そう、リヴィアやルナと。


イヴが何か言いたげに、じっとこっちを見て、


「リヴィアちゃんやルナちゃん・・・色々してるの?」


そう、尋ねてきた。


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IM:73,116,258,321

その他:

ばれてる。

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