第20話 0053/0000/0110/0001

「助けて頂けるのは、感謝するよ・・・でも、そこは女の子の大事な所だし、ね」


やばい、え、喋ってる?!

と言うか、俺ひょっとして凄く変な人に見られてるんじゃ。

いきなりガン見して、その後・・・えっと・・・


思わず距離を取るため、下がる。


「えっと・・・出来ればこの拘束を解いて、降ろして欲しいのだけど。・・・言葉、通じるかなあ?」


「え・・・あ、ごめん」


女の子を拘束していた物を外す。

女の子はよっと、と降りると、手で体を隠しつつ、言う。


「有り難う。私の名前は、イヴ。君は何て呼べばいいかな?・・・あと、服か何かあると欲しいんだけど」


とりあえずマントを渡しつつ、言う。


「俺の名は、彰一。とりあえず外に出たらちゃんとした服交換できるけど、今はこれで」


「有り難う、ショーイチ」


イヴは、早速渡したマントを体に巻いて身を隠す。


「・・・助けて貰ってなんだけど、体を隠す間もずっとガン見だったよね。恥ずかしいよ」


耳まで真っ赤にしつつ、イヴが抗議する。

・・・しまった、つい。


「・・・後ろの二人は・・・心を奪われているみたいだね。ショーイチがやったわけじゃなさそうだよね」


イヴは、リヴィアとルナをちらっと見て言う。


「んー・・・後ろの二人・・・何処かで見たような・・・?」


考え込むイヴ。

はっと気付いたように。


「・・・まさか、心を奪われている人にまで、同じ事を・・・というかさっき凄く手慣れてる感があったよね。まさか・・・」


半眼でじーっとこっちを見ながら言うイヴ。

やばい。


「・・・そ、それより・・・ここを脱出しよう」


「えっ、脱出できるんだ!やった!」


喜ぶイヴ。


そして下界に出て・・・イヴが呆然として言う。


「ここ・・・何処・・・」


「外、かな?」


「そうだよね・・・戻れないよね・・・」


がっくりして言うイヴ。


「イヴは、此処が何処か知っているのか?」


「うん・・・記憶が朧ろ気何だけど・・・此処は多分、ゴミ捨て場、アビス、かな」


ゴミ捨て場・・・そう言えば王女が何か言ってた気がする。


「私は・・・良く覚えてないんだけど・・・世の中を良くするために自分を犠牲にして働いて・・・最後は冤罪をかけられ・・・処刑された・・・と思う・・・もしくは、冤罪を晴らす為に自分で命を絶ったかも・・・で、アビスに棄てられたんだと思う」


んーっと考えるイヴ。


「そうなると、私は既に死んでいるのかな。今自分は生きている筈なんだけど・・・」


自分をぺたぺた触るイヴ。

次いで、俺をぺたぺた触り、顔を近づけ・・・そこで気づき、ぱっと離れる。


顔を真っ赤にして、弁明する。


「ご、ごめんなさい、ついっ。人に触るなって言っておいて、自分が触ってちゃ駄目だよね。あ、でもさっきのは本当に恥ずかしくてっ」


ち。

可愛かったからもっとやってくれてたら良かったのに。


とりあえず、コンソールを操作し、服を出す。


「これで良いかな?」


「わっ、これ何!やってみたい!」


イヴがコンソールにかじりつき、色々触り始める。


服をずらっと一覧を出し、その中から白いゴシックっぽい服を選ぶと、交換する。

ちなみに、服はどれもそこまでポイントかからない。


・・・じっとこっちを抗議するように見る。


「後ろ向いてて?」


しぶしぶ後ろを向くと、衣擦れの音が聞こえ・・・


「もう良いよ!」


そちらを見ると、ふわふわした服を着たイヴがいた。

可愛い。


「可愛いね、似合ってるよ」


「ふ、ふええっ?!」


感想を言うと、また顔を真っ赤にするイヴ。

反応が一々大きいなあ。


「な、何でそんな、事、直球で言うの、かな!」


涙目で抗議するイヴ。


#################

IM:74,126,263,321→74,126,258,321

その他:

服を着てしまった。

#################


*********************


2018/08/21

主人公の名前を彰一に修正。

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