序章〜下〜

「選び放題だぞ!!」

っていわれてもな・・・。とりあえず種族とかから決めるのかな、

うーん、何でも決めていいとなると逆に難しいな。

一体どこから決めていいのか。


「じゃあ選択肢をあげよう。あ、さっき君が来る前に作っておいたものがあるんだ。それを使って決めるといいよ」

ガイアはそういうと、僕に向かって白い紙を投げてきた。


その紙を受け取りよく見る。

んー、特に何か書いてあるわけじゃない白い紙だ。何に使うんだ?


「それはステータスボードといって向こうの世界では誰もが持っている、生きていくのに必要不可欠なものだ」


へー、この何も書かれていないペラペラの紙が必要不可欠…。どうやって使うんだろう、何か書くのかな?


「まだ説明は終わってない、今は他人に見られないように隠蔽の魔法が掛かっているから何も書かれてないように見えるけど解除すると色々書いてあるから何も書かないで」


なるほど、どうやって解除するんだ?


「解除する前に、魔法のことを詳しく話しておこう。君はこの世界の常識が欠落しているから今のうちに教えられることは教えておきたい」


欠落してるって…酷い言い方だ。この世界に来たばかりだからしょうがないだろう。

まあいいや、で魔法ってどんなものなんだろう。火を出したり空飛んだりとか?


「その認識で間違ってないよ。ただ思っているよりもずっと複雑なものだけど」


複雑か。覚えるのが大変そうだ。

「まあ魔法は計算でもあるけど感覚でもできるからすぐ覚えられる…と思う」


感覚か…。適当だなぁ。しかも思うって言ったし大丈夫かな。


「適当でもないし、大丈夫だよ。

さて、魔法の説明をするよ。

魔法とは魔素を使って起こすことのできる奇跡の力だ。正しく使えば人を助け、人々を導くことも可能だ」


正しくか…。正しく使えば人を助けることも可能だが、一歩間違えれば例の人達のように狂気に染まりとんでもない事件をやらかすことにも繋がるわけだ。


「そう、力の使い方を誤まり、魔法に呑まれれば狂気に染まり昔の人族のように世界すらも崩壊させるほどの力を持ち、やっていいこととダメなことの区別すらも付かなくなる」


本当に危険な力なんだな…。そんなの使って大丈夫か?


「大丈夫な様に今から君に知識をあげる。知っていればそうそう飲まれることもないだろう。それに使いこなせれば君の力になる」


なるほど、毒にも薬にもなるということか。


「そうゆうこと。

じゃあ魔法の解除の仕方を教えるよ」


よし、頑張っていこう。


「まず体内の魔力を感じて。イメージは心臓から全身に行ってまた心臓に戻っていく感じ。血と一緒、

血流をイメージすればわかりやすいかな」


…確かに感じる。暖かいものが流れている感じがする。


「感じられたようだね。じゃあ今度はそれを体外に出す。手を前に出して、魔力をゆっくり出して」


何かがなくなった感じがした。

ま、当然か。魔力を外に放出したんだから。


「できたみたいだね。今度は魔力をステータスボートに出し『アンロック』って唱えてみて。魔法は魔力を使い詠唱をして形にするんだ。詠唱はイメージみたいな感じだから慣れたら唱えなくてもできるようになるよ」


えっと…この紙に向かって…

『アンロック』


詠唱を終えると文字が浮かび上がってきた。


「これが君のステータス。これを君は好きにカスタマイズする。さ、やってみて」


ステータスボードを見てみる。


名前

種族

職業 ダンジョンマスター

レベル1

年齢 0

スキル

称号 転生者


SP 10000


結構色々あるんだ。

どうしようかな。

「軽く説明するね。名前…はわかるか。

種族は獣族、エルフなどの人種、職業は剣士とか魔導師とか、君の場合にはダンジョンマスターで固定させてもらう」

職業の選択肢は無いんだ…。

ま、そうだよな。このために連れてこられたんだから。


「そう。レベルは色々やると上がる。上がると色々強くなれる。スキルは努力したりSPを使って手に入る。これもレベルを上げると強くなれるよ。スキルは魔力を使うものと使わないものがいるから気をつけて。SPはスペシャルポイントの略で、敵を倒したり、レベルを上げたりすると手に入る。最後に称号、これはまあこんなことをやりましたっていう証明みたいなもの。称号を手に入れるとステータスも上がるよ。じゃ説明はしたからあとはゆっくり決めて」


そういうと、ガイアは消えた。


…これは放置プレイですか?

うそでしょ。


…とりあえず決めるか。

まず名前、コウでいいか。種族はどうしよう、一覧でもあったらいいのに。


そう思った時ステータスボードの上に半透明な板?が出てきた。

そこには種族一覧?(エルフとか書いたあるから多分そう)が出てきた。


人族 獣族 エルフ ドワーフ 魔族 竜族… ランダム


いっぱい出てきた。

よくわからないからランダムでいいか。


ランダムボタンを押すと、硬龍族が出てきた。

よくわからないけどこれでいいか。


スキルも一覧とか出てくるのかな。

…種族一覧とかと同じような板?に出てきた。

思えばこれスマホの画面みたいだな。


スキル一覧

基礎能力系

剣術系

魔術系

特殊系


スキルは三つの系統に分かれているらしい。

とりあえず決めるか。


ーーー

とりあえず決まった。

名前 コウ

種族 硬龍族

職業 ダンジョンマスター

レベル1

年齢 0

スキル 身体強化lv100 剣術基礎lv10 魔法基礎lv10

柔軟lv10 気配察知lv50

称号 転生者 強者


SP 0

こんな感じになった。まるで筋肉バカのようだな。

レベルは100が最高みたいだ。

これからどうしようかな。


「決まったみたいだね」


途方にくれているとガイアが背後から現れた。

全然気づかなかった。


「これから君は世界に降り立つ。

辛いことも多いだろう、でも諦めずに頑張って。

私達はいつまでも見守っているから」


おー、ここに来て一番神様らしい言葉。


「誰が神様らしくないって」


そこまでは言ってない。けど神様らしいことあんまり言わなかったからすっかり神様だって忘れてた。


「じゃあ世界に送るね。頑張ってね」


ガイアがそういった瞬間光に包まれた。


…行ったか。

ガイアは少しの寂しさを感じた。

「さて、私もそろそろ仕事に戻らないと」


そう言ってガイアも消えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スライムダンジョン! 一条真銀 @kaeru123kaeru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ