応援コメント

#02 父の想い出」への応援コメント


  • 編集済

    バカな。こんな息が止まるくらいの名場面に感想が無いだなんて……この世は狂ってるのか(失礼)


    黄緑色の光に照らされて人影が浮かびあがった。腕に赤子を抱えた女性だった。回廊の奥から息をきらせながら走ってきたが兵士とおぼしき人影が立ちふさがり小銃の先から光がぱっと飛び散った。

    ここ、暗視装置独特のあの視界なのではないでしょうか。違ってたらすみません。

    発砲炎が微かなハレーションを起こして視界にしばらく漂うような感覚すら覚えます。


    兵士が射殺したあと、残された赤ん坊はただただ泣くのみで、誰かが手を差しのべることもなく、そのまま母と共に死んでしまうのだろう。
    きっとそうなんだ。

    だって、この世界はそういう世界だから。

    と思っていたら

    『今撃たれたのは、私の母です』

    を読んだ時は息が止まりました。


    すみません、もう少し続けさせていただきます。


    少女が胸のなかで思い出を温めるたびに考えるのは自分と父との語らいでは常に“灯”がそばにあったということだった。それは焚き火だった。同時に銃の発射炎でもあった。街を焼き尽くした炎でもあった。炎上する街は空を染めあげ夜になっても昼間のように一帯を照らしていた。


    この部分、非常に心に来ます。

    彼女が眺める焚き火の火は優しく、人が暮らす街を燃やす業火も火である。

    平和の火、戦争の火、

    作者さんの言わんとすることがダイレクトに来ます。


    スカベンジャーは卑しく汚いのではなく、循環させて今を生きるために必要な役割であること。

    子供を喪った親からの遺骨回収の依頼と、達成を報告した際の親の笑顔。

    涙が出そうです。
    2話もめちゃくちゃ良かった……

    作者からの返信

    続けてお読みくださりありがとうございます。
    再生機の映像についてはまさに暗視装置のような見え方をイメージしていました。フルカラーで再生されるよりはその方が過去を掘り起こしている感覚をつかみやすいかと思ったのです。

    火の喩えはその後も繰り返し出てくる物語の主題のひとつとさせていただいていますね。あまり多くを語らずにいろんなニュアンスを伝えられるようになりたいものです。