第19話 強引

「な、何してるの?こんなところで」


「そっちこそ、今日は何も“して”ないのか?」


 蒋平は、まったく目を逸らさずにひなたを、見つめている。


「お前が図書室へ行くのを見たから、誰かとするんだろうと思って来てみたんだ」


「何それ?何言ってるの?」


“バン!”


 ひなたの答えに対してなのか、蒋平は本棚を殴りつけた。


「ちょっと。何してるの」


「お前が、俺の他にも何人もの男としてたの知ってるよ」


「だ、だから。だから何!?」


 今までひなたを襲ったコトのない恐怖が身にまとわりついてくる。


「それでも良かったんだ。いつか、最後に俺のところにくれば」


 ひなたにしてみれば、そんな意識は無かったのだが、蒋平はいわゆる本気だったようだ。


「ごめん、メール送ったよね?そういう事なんだけど」


 ひなたが送ったメールとは、ゆいとの会話の中で出て来た複数の男に対して一斉に送ったもの。


「どいつだよ?」


「え?」


「どこのどいつなんだよ!?」


 言いながら、蒋平はひなたに近づいてくる。


“やばい”


 ひなたは身の危険を感じて、その場を立ち去ろうとした。


 しかし、蒋平に腕を取られてそのまま壁に押し付けられた。


「そいつのは、そんなにいいのかよ?」


 壁に押し付けられながら、ひなたは胸を掴まれた。


 優しさのかけらもない、ただ力任せに揉みしだかれる。


「ちょっと!痛い!」


「好きだったろ!?こういうの」


 構うことなく、蒋平はシャツの中に手を入れ直接ひなたの胸を揉みしだく。


「やめて。やだ、こんなの」


「よろこんでたじゃないか!さんざん!」


 ひなたは頭の上で腕を抑えつけられ身動きが取れない。


 蒋平はひなたのパンツの中に手をねじ込んだ。


「濡れてるじゃんか、そうだよな?好きだもんな?」


 強引にひなたのアソコに指を入れた」


「やめて!お願い!」


「頼むよ、もう会わない何て言わないでくれよ」


 蒋平は、自分のアレを出して早くもひなたに挿れようとしている。ひなたのアソコに先があたる。


「やだ!痛い!」


 構わず蒋平は、腰を押し上げた。


「うっ」


 身をよじり、何とかそれを拒もうとするひなたの前で、蒋平の動きが止まった。


 ひなたの太ももを生温かい液体が伝い落ちて行く。


 蒋平は挿れる寸前で果ててしまったのだ。そのまま蒋平はひなたから離れた。


 ひなたは、太ももをつたい落ちて行く液体の温かさを感じながら、自分が安全だった事を悟った。


「だめじゃん、出来ないじゃん」


 憎しみを込めて言い放つと、荷物だけ持って書庫を出て行く。


 そこには、うずくまる蒋平だけが取り残された。

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