第6話 服
ゆいの突然のキスに、ひなたはうっとりする。くちびるから伝わる体温に身体が蒸発するようだ。
キスしている間、ゆいの手はひなたの背中を優しく撫でる。呼吸がどんどん苦しくなって、ひなたはゆいにしがみついた。
“なんで?どうして?”
悦びに身を委ねながらも、ひなたは、この理解できない状況を必死に理解しようとする。
ゆいは女の子なのに、どうして自分にキスしているのか?それも今まで経験した事の無いような、甘く濃厚なキスを。
もちろん願っても無い事だ。思っていた以上に気持ちいい。ゆいになら何をされても構わない。むしろこのままメチャクチャにされたい。
それでも、懸命に考えている。脳の運動が停止しているのか、それとも本当はとっくに理解しているのか?
とろけるようなキスをゆいはいったんやめて、虚ろなひなたの瞳を除いた。
「澤村さんの裸が見たい」
「えっ?」
「いや?」
「えっ、いや、その」
返事に困るひなたに、ゆいは優しく微笑みかける。そのまま耳元に顔を寄せるとそっと囁いた。
「見せて。ひなたの身体」
出会ったばかりのゆいに、下の名前で呼ばれた。もう構わない。理由なんていらない。
ひなたは黙って頷き、ゆいに脱がされるのを待った。
しかし、ゆいは動かない。それどころか、ゆいに寄り添うひなたの身体を起こすと全身を見回した。
「見せて。はやく」
自分で脱げと言うのか。今まで散々、男に服を剥ぎ取られてきたひなたにしてみれば、そんなの脱がしてくれるのだと勝手に思い込んでいた。
ゆいは、ひなたの首筋を触りながら、ひなたが脱ぐのを待っている。
「自分で脱ぐの?」
「うん。恥ずかしい?」
「恥ずかしい。見たいの?何で?」
見てほしいのは、自分も一緒なのに、ひなたは確かめるように聞いた。
しかし、ゆいはその問いには答えない。替わりに違う質問をひなたに返した。
「女の子に見られるのはいや?こんなのおかしいと思ってる?」
ひなたは、あわてて首を振る。嫌でもないしおかしいとも思っていない。ただ、ゆいの気持ちを知りたいだけなのだ。何故こんな事をするのか?それが期待通りの答えなのか?
「わたしは…」
ゆいは、ゆっくり答えながら、ひなたのシャツのボタンに指をかけた。片手でスルスル外して行く。
「わたしは、ひなたの胸にキスがしたい」
あっという間にブラジャーまで外され、露わになったひなたの胸に、ゆいはそっと口付けた。
「はぅっ」
冗談みたいに、身体が反応する。嘘みたいに、身体が答える。
たった一回乳首を舐められただけで、ひなたはイッてしまいそうになる。
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