第14話デッドリーポイズンスライム
ここだな、変なモニュメントは。まあ、確かに変だな。日向どこだ?分かり易いようにマスクを外す。
「あ、いたいた兄貴、変なマスク着けてるからわかんなかったよ」
「変なって、もうちょい良い例えなかったの?」
「そんな事いいからさっさと行くよ。
てか、ファントムフロッグって幽霊?」
「いや、霧のようなカエル。液体だけ
を通す性質が、あるっぽい」
「曖昧すぎ、なんだー幽霊じゃないのかぁ」
「一応魔法は食らうって聞いた。後、空飛んでるって」
「兄貴、魔法持ってんの?まさか持ってないとか言わないよね?」
「一応、持ってる。うん、一応」
「一応?何持ってんだの?」
「よ、予知」
「はぁ?なめてんの馬鹿なの?兄貴」
「ヒナタは何持ってんだよ!」
「は?高が14レベで32レベの私に何、逆ギレしてんの場をわきまえなさいよ!」
32レベって攻略組かよ。いや、こいつ攻略組だわ。このままいくとダメだ、話をそらそう。
「受験生だろお前勉強しろよ」
「全国優勝したら推薦貰えそうだし。てか、いま関係ないし。もういい、さっさと行くよ」
「ピースフラッグの、だろ」
ピースフラッグとは、ワルクリと、同時期に発売されたVRMMO。戦争を題材に、チーム戦やソロ、50対50の団体戦など。衰退した世界観が売りのVRMMOだ。
話しを戻すが、門を抜け馬車で数分のところに、湿地帯の入り口があり、めっちゃじめじめしてる。
「目撃した場所は、ここら辺かな?」
「カエルかな?紫色のブヨブヨみたいなのは」
「あいつ......1メートルくらいって言ってたのに3メートルはあるぞあれ!」
「やばい気づかれた!まあいいや、『サーチ』えぇ、あれスライムなの?!」
「え、カエルじゃなくて?!核叩けば倒せると思うけど、届くか?」
「やってみないと分かんない!」
俺はマスクを着け一応、この前買った清潔ナイフを取り出しある程度、距離を取る。最悪、ヒナタ回収して逃げればいいか。
俺は、予知を使い援護する。目を閉じて第六感を集中させる。すると、この先数秒間で、何が起こるかが分かる。
「左から来る」
「次は前」
「いける」
合図と共にヒナタ飛び上がり撃つ。
「ファイアランス」
「——お前、馬鹿か!」
「えっ」
確かにスライムに炎系の魔法は有効だが、ポイズンスライムにやると、毒ガスが発生する。紫色の絶対やばいモヤモヤ。倒せたけど危険だ。おれはマスクを着けているから大丈夫かもしれないがヒナタは着けていない。もしもガスが入って来たら改善の余地ありだな。
「ヒナタの馬鹿!ちゃんと考えて行動しろよ馬鹿!この、愚妹が!」
「ちょ、愚妹って何よ!あんた、調子に乗っちゃってぇ!」
そそくさとドロップを回収して撤退する。愚妹め、やらかし上がって。
レベルだけは、一丁前に攻略組なのにな、レベルだけは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます