第10話カラスとカルテ

「持って来たよー。ジュンくんが、医者って聞いたからこんな感じかなって、思って描いてみたんだけど、どうかな」


うん、完全にペスト医だこれ。こんなのが森の中彷徨ってたら怖いだろ。

化粧品とジャム論なんか唱えてらんないよ。


「ペスト医ですか。厨二病治ってなかったね、ジュンさん」

「かっこいいっちゃかっこいいんですけど、怖いですね。俺が魔物だったらにげちゃいますよこれ」


うん、逃走スキル持ってるしね。


「かっこいいならこれで決まりだね。

ペストマスクの嘴に気化し易い回復薬を布に浸して突っ込めば回復できないかな?」

「出来るかも、水の代わりにグツグツ草の汁入れれば気化しするし」


リーナさんも、ノリノリじゃないか。反対じゃないのね。まあ、医者だしいいかなペスト医。開き直ろうかな。


「ブラックカウのレア個体、ホワイトカウの皮持ってますよ」

「おお、白か、白、じゃあ白いカラスって感じの防具にしようかな、どうどう?」

「賛成ね」

「賛成です」

「じあ決まりで」


なんか楽しくなって来た!

それから、数分後。


「そうだ、ジュンくん『カルテ』って言うスキルもってる?」

「いえ持ってませんね」

「じあ、この紙持って僕に向かって、『カルテ』って言ってみて」

「分かりました。『カルテ』」


持っていた紙が光り文字が書かれている。なんだこれ?


「『カルテ』は、紙と相手の了承があれば相手のステータスを書くことが出来るんだ。しかも、裏ステータスも」

「えっ、めっちゃ使えるじゃないですか」

「でも、自分には使えないんだよね。ちなみに、項目は、年齢、身長、体重、状態異常、筋力、体力、魔力、耐久力、集中力、運力、と裏筋力、裏体力、裏耐久力、裏集中力、裏運力って感じかな。スキルとセンスは出ないよ。うわぁ、裏体力マイナスついてる」


スキル『カルテ』を手に入れた。

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